ビットコインETFの承認との報道を受け、Bitcoin価格が一時急騰した。しかしながら、この報道は誤りであったことが判明し、価格は急落している。ビットコインETFの承認に対する期待値が高まる中、価格の今後の見通しとは。また、ビットコイン価格と関係の深い金価格の今後の見通しとは。
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ビットコイン、ETF承認?
日本時間10日早朝、米SEC(米証券取引委員会)のX(旧Twitter)にて、現物ETF(上場投資信託)したとの投稿され、ビットコイン価格(ドル建)は急騰し、一時4万8千ドル近くまで上昇した。円建でも、ビットコイン価格は一時、690万円を超えて上昇した。
ただし、SECのゲーリー委員長は、この投稿がフェイクであったことを明らかにし、ビットコイン価格が急落している。委員長は、Xが攻撃され、不正なツイートが投稿されたと説明し、SECは、ビットコインの現物ETFの上場と取引を承認していない、と説明している。
今回のニュースはフェイクであったものの、Bitcoin価格が大きく乱高下したことは、市場参加者のビットコインETFに対する期待値が高いことを示している。
ETFが承認されるかは依然として不透明であるものの、承認された場合、今回のフェイクニュースでの反応以上にBitcoin価格が上昇する可能性がある一方、期待値が高いことから、承認されなかった場合、大きく低下する可能性がある。
ビットコイン価格(上:ドル建、下:円建)
資料:Trading View
ビットコイン価格の今後の見通し
ビットコイン価格(BTC/USD)は、RSIが50以上70未満で推移しており、一段の上昇余地を示している。また、MACDラインがシグナルラインを上抜け、ビットコイン価格に強気の「ゴールデンクロス」が示現している。
テクニカル面では、ビットコイン価格に強気シグナルが点灯している。ただし、近日中に、ビットコインETFの承認、もしくは却下に関して決定を下す可能性が高まっており、決定の動向次第でビットコイン価格は、上下双方に大きく動く展開が想定される。
ビットコインETFが承認された場合、テクニカル面で強気シグナルが点灯している中、今回のフェイクニュースの時の高値を超えて上昇することを見込む。ビットコイン価格は、2021年11月から2022年11月にかけての値動きに基づいたフィボナッチリトレースメント61.8%水準48,613ドルを超え、5万ドル台への上昇が視野に入る。
一方、ビットコインETFの承認が却下された場合、期待値が高まっている中、失望売りを誘発しよう。水平サポートラインである42,075ドルへの下落が視野に入る。この水準を終値ベースで下方ブレイクすると、心理的節目である40,000ドルへの下落が視野に入る。
ビットコインはデジタルゴールドと言われ、金に似た性質を持っていると言われるが、リアルゴールドである金価格についても詳しく見てみたい。
ビットコイン価格(BTCUSD)日足チャート
資料:Trading View
NY金価格の見通し
NY金価格(スポット、ドル建)は、2023年12月13日から28日にかけての値動きに基づいたフィボナッチリトレースメント61.8%水準2,017ドルで反発している。このことは、最近の金価格の下落は、12月中旬以降の上昇の一時的な調整であることを示唆している。
また、金価格はビットコイン価格と連動する傾向がある。ビットコイン価格が、ETF承認に伴い上昇した場合、金価格の上昇要因となることを見込む。その場合、心理的節目である2,050ドルへの上昇が視野に入る。更に、終値ベースでこの水準を上方ブレイクすると、金価格は、2023年5月4日高値2,082ドルをトライしよう。
一方、ビットコイン価格が急落した場合や、金価格と関係の深い米国金利が上昇した場合、金価格は下落しよう。その場合、フィボナッチ61.8%水準2,017ドルで引き続きサポートされるかに注目。下方ブレイクした場合、最近の下落が一時的な調整にとどまらず、心理的節目である2,000ドルへの下落が視野に入る。
NY金価格(スポット、ドル建)日足チャート
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資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著