NY天然ガスは下落。米国の在庫増加が重荷。天然ガス価格にとって重要なLNG施設に注目すべき動きが。悪材料が多い中、天然ガス価格の今後の見通しとは。
【天然ガス価格のターゲット】
上値:2.000ドル
下値:1.600ドル
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天然ガス在庫
NY天然ガス価格は、米国の天然ガス在庫が予想以上に増加したことが嫌気され、1%弱下落した。2営業日連続の下落である。
他の多くの主要商品が上昇する中で下落しており、天然ガスの地合いが弱いことを象徴する一日であった。
資料:BloombergよりDailyFXが作成
米国の天然ガス在庫は、3週連続で増加した。例年、この時期は在庫が積み上がる傾向があるが、在庫増のペースが速い。
資料:BloombergよりDailyFXが作成
在庫の急ピッチの積み上がりに伴い、在庫の水準は、過去の実績を大幅に上回る水準で推移している。高水準の在庫が、需給の緩みを引き起こし、天然ガスの上値を抑えている。
資料:BloombergよりDailyFXが作成
天然ガス、LNGへの流入
天然ガス価格の低迷を受け、生産減少が続いていることは、需給を引き締める方向に働き、価格にとってプラス材料である。
しかしながら、天然ガスの消費や、LNG(液化天然ガス)設備への流入が低迷していることは、天然ガス価格にとってマイナス材料である。ただし、LNG設備への流入は動きが激しいものの、一部改善の兆しがみられている。LNG設備への天然ガスの流入が今後も増加した場合、天然ガス価格を押し上げる可能性があり、注目である。
資料:BloombergよりDailyFXが作成
NY天然ガス価格見通し
NY天然ガス価格は、3月以降のレンジ1.600~2.000ドルの下限近くまで下落していた。先物の限月変更に伴い、レンジの上限近くまで上昇している。ただし、MACDラインおよびシグナルラインはほぼ横ばいで推移しており、明確なトレンドを示していない。
天然ガスを巡る悪材料は多いものの、既に価格に一定程度織り込まれていると思われる。一方、LNG施設の動向など明るい兆しがあるものの、明るい材料に乏しい。テクニカル面でも中立な中、天然ガス価格はレンジ1.600~2.000ドル内での推移継続を見込む。
【天然ガス価格のターゲット】
上値:2.000ドル
下値:1.600ドル
天然ガス価格(NG1)日足チャート
資料:TradingView
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著