ナスダック100は、月間ベースで、6カ月ぶりに下落。FRBの利下げ観測後退や、企業決算を巡る不透明感などが背景。エヌビディア(NVDA)などの注目決算が残るものの、足元までの米国企業の決算動向は。また、大幅下落となったナスダック100の今後の見通しとは。
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【ナスダック100のターゲット】
上値:20日移動平均線(現在17,703レベル)
下値:17,146レベル
ナスダック100、6カ月ぶり下落
ナスダック100は、6か月ぶりに月間で下落した。4月を通して4.5%下落し、2023年9月以来の大幅下落であった。FRB(米国連邦準備制度理事会)による利下げ観測が後退したことなどを受け、米国金利が大きく上昇したことが、ナスダック100を押し下げた。
S&P500やNYダウ、ラッセル2000といった米国主要株価指数も同様に下落した。FRBの利下げ観測後退に加え、米国企業決算を巡る不透明感も株価の重荷となった。ただし、企業決算は、足元まで、米国企業の好決算が続いている。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。
米国企業決算、堅調
マグニフィセントセブンのうち、テスラ、メタ(旧フェイスブック)、グーグルの親会社であるアルファベット、マイクロソフト、そしてアマゾンが決算を発表した。残るは、エヌビディアおよびアップルの決算である。
テスラの決算は予想を下回ったものの、低価格車のローンチを加速させることを表明したことを好感し、株価は大きく上昇した。メタは、コスト見通しが嫌気され、決算発表後、株価は下落基調で推移している。アルファベット、マイクロソフトは、売上高、利益ともに事前予想を上回る好決算であった。アマゾンは、第一四半期の実績が予想を上回ったものの、見通しが予想を下回ったことから、投資家の反応はまちまちであった。
ナスダック100指数構成銘柄の内、49%の企業が1-3月期決算発表を終えた。既に決算発表を終えたナスダック100指数構成企業全体で見た場合、利益が事前予想を大幅に上回っており、良好な企業決算が続いている。今後も良好な企業決算が続いた場合、ナスダック100指数をサポートする可能性があり、注目である。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。予想値はBloombergに基づく。
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ナスダック100指数の見通し
ナスダック100指数は、4月19日を底に反転したものの、20日移動平均線がレジスタンスとなり、再び反落している。RSIは、ナスダック100が売られ過ぎを示唆する30まで一時低下した。
テクニカル面で中立なものの、米国企業の好決算が続いていることから、ナスダック100の上昇を見込む。ナスダック100は、20日移動平均線(現在17,703レベル)への上昇が視野に入る。
ただし、FRBの利下げ観測が一段と後退した場合などは、ナスダック100に下落圧力となる可能性がある。その場合、ナスダック100は、4月23日安値17,146レベルへの下落が視野に入る。
【ナスダック100のターゲット】
上値:20日移動平均線(現在17,703レベル)
下値:17,146レベル
ナスダック100指数日足チャート
資料:TradingView
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著
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