NY金価格は、3日続落。中東情勢の懸念が後退していることが、金価格を押し下げている。個人トレーダーの動きは、金価格の更なる下落を示唆している。テクニカル面を踏まえた、金価格の今後の見通しとは。
【金価格のターゲット】
上値①: 2,400ドル
上値②:9日移動平均線(現在2,353ドル)
下値①:2,300ドル
下値②:2,256ドル
金、3日パフォーマンス
NY金スポット価格(ドル建)は、3日合計で3%強下落した。イスラエル・イラン双方ともに、戦況の悪化を望んでいないとの思惑が、安全資産としての金の需要を後退させ、価格を押し下げている。
また、底堅い米国経済を背景に、米国金利が高止まりしていることも、金価格の重荷になっている。金利が付かない金は、米国金利が高止まりすると、相対的な魅力度が低下する。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。
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NY金、個人トレーダーは強気
IG顧客センチメント(IGCS)によると、昨日と比べ、金に強気のネットロングのトレーダーの割合が増加している。金価格の下落を受け、トレーダーが金価格に割安感が出たと見ていることを示唆している。逆張り投資の観点では、トレーダーが金に強気であることは、金価格が下落する可能性がある。
IGCS:金
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資料:IG顧客センチメント
NY金価格の見通し
NY金価格(スポット、ドル建)は、20日移動平均線がサポートとして機能せず、下方ブレイクした。MACDラインは、シグナルラインを下回っており、金価格の下落トレンドを示唆している。
投機筋のポジションに加え、テクニカル面で弱気シグナルが点灯していることから、金価格の下落を見込む。金価格は、心理的節目である2,300ドルへの下落をトライしよう。この水準を下方ブレイクすると、金価格の下落圧力が一段と強まり、フィボナッチリトレースメント61.8%水準2,256ドルへの下落が視野に入る。
ただし、イランがイスラエルに攻撃を実施するなど、中東情勢が緊迫化した場合、安全資産としての金の需要が高まることが見込まれる。その場合、金価格はサポートであった9日移動平均線(現在2,353ドル)を上方ブレイクできるかに注目。ブレイクに失敗した場合、金の地合いが弱くなっていることを投資家に印象付けよう。一方、ブレイクした場合、金価格の上昇圧力が再度強まり、節目である2400ドルへ上昇することを見込む。
【金価格のターゲット】
上値①: 2,400ドル
上値②:9日移動平均線(現在2,353ドル)
下値①:2,300ドル
下値②:2,256ドル
NY金スポット価格(ドル建)日足チャート
資料:TradingView
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著