※2024年4月25日14時00分更新
英FTSE100が史上最高値更新、英国株の大幅上昇受け
欧州株式市場で英FTSE100種株価指数は22日、終値でついに史上最高値を更新し、年初に過去最高値を記録した他の主要株価指数とようやく肩を並べた。英国株式市場では幅広い銘柄が上昇し、FTSE100種指数は前週末比1.6%高の8,023.9ポイントで取引を終えた。
英ポンド安が英国の輸出企業を後押し
FTSE100種指数が史上最高値を更新した主な要因は、英ポンドが対ドルで再び弱含んだことだ。英ポンドは22日、0.3%安の1.2333ドルと、昨年11月中旬以来の安値水準まで落ち込んだ。FTSE100種指数を構成するほとんどの銘柄企業は、収益の大半を海外で得ているため、英ポンド安により相対的なバリュエーションが押し上げられた。
FRBと英中銀の金利見通しに格差
市場では、イングランド銀行(BOE、中央銀行)が早ければ8月にも利下げを開始するとの期待が高まっている。これは、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めが予想以上に長期化するとの見方とは対照的である。BOEとFRBの金利見通しの格差は、為替変動に敏感な企業銘柄が多いFTSE100種指数には利益をもたらすと見られている。
最高値更新でも記録的な割安水準
終値で史上最高値を更新した後も、英国株はS&P500種株価指数など他の主要な株価指数に比べてかなり割安な水準で取引されている。このバリュエーション格差は、他の主要市場に対して英国株が長年にわたりアンダーパフォームだったことを反映している。英国企業は外国人投資家による買収が続いており、英住宅設備のタイマンが22日、米同業大手により買収されると発表されたばかりだ。
エネルギー株と銀行株がFTSE100の上昇に寄与
原油価格の上昇により、シェルのような英石油大手の株価が上がり、また景気の回復を背景に英国の銀行株も上昇していることがFTSE100種指数の最近の上昇を支え、史上最高値の更新に至った。
FTSE100 テクニカル分析
FTSE100種指数は、昨年2月以来1年2カ月ぶりに史上最高値を更新し、8,100の大台に急接近している。
過去10年間、FTSE100種指数は心理的水準8,000の大台に肉薄するも突破はしなかったことが何度かあったため、今回はついにその大台のブレイクが確立されたのかどうかが注目される。少なくとも指数は今のところ、月ベースで3カ月続伸に向かっているようだ。一貫した買い圧力が示されていることは、強気派にとっては心強いと言える。
FTSE100 月足チャート
資料:TradingView
テクニカル面では、2020年10月の安値から上昇すると予測された、2020年3月から6月までの上昇に基づき引かれたフィボナッチ・エクステンション161.8%の水準8301.90にレジスタンスがあるとみている。
週足チャートの終値ベースで、200日単純移動平均線(SMA)と7,597.9―7,582.1にある2020―2024年の上昇トレンドラインが指数を下支えしている限り、強気な見方は維持されるだろう。
日足チャートの終値ベースで、指数が先週金曜に付けた1カ月ぶり安値7,748.8を上回って推移している間は、当面の上昇圧力は維持されるはずだ。
FTSE100 日足チャート
資料:TradingView
これらの水準より上では、4月初めの高値8,016.5と心理的水準8,000の間に小型のサポートがみられる。