テスラ(TSLA)が決算を発表し、時間外で株価は12%上昇。24日に控えるメタ(META、旧フェイスブック)の決算の注目点は。エヌビディア(NVDA)との差を埋める決算になるか注目。重要決算を控える中、S&P500種指数の今後の見通しとは。
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【S&P500のターゲット】
上値: 5,127ポイント
下値: 5,000ポイント
テスラ決算
テスラの決算が取引時間終了後に発表され、売上高(収益)、一株当たり利益ともに事前の市場予想を下回った。売上高、最終利益ともに前年同期と比べて減少しており、約4年ぶりの減収減益となった。
EV市場の減速に加え、競合との競争激化などを受け、業績が悪化した。世界での販売台数も39万台弱と、前年と比べて減少した。
しかしながら、テスラの株価は取引時間終了後に一時12%近く上昇している(日本時間朝7時20分時点)。低価格車の生産を、当初予定の2025年後半より前に開始すると発表したことや、イベント通過の安心感が株価を押し上げている。
業績予想に再び届かなかったものの、低価格モデルのローンチを表明し、投資家を安心させたことは、米国株全体にとってもプラスに働くことが見込まれる。
テスラ:一株当たり利益および収益
テスラに続き、24日の取引終了後にメタが決算を発表する。25日にアルファベット(グーグル)およびマイクロソフトも決算を発表するなど、決算動向がS&P500種指数を含めた米国株全体の動きを左右することが見込まれる。
米国大型ハイテク株:決算発表予定日
資料:各種資料を基にDailyFXが作成。
メタ(旧フェイスブック)決算
事前予想では、売上高は361.4億ドル(前年同期286.5億ドル)、一株当たり利益(EPS)は4.32ドル(前年同期:2.2ドル)の好業績が見込まれている。
メタ:一株当たり利益および収益
メタは、コスト削減が奏功していることや、AIへの取り組みなどが評価され、株価は堅調に推移しており、年初来で40%強上昇、マグニフィセントセブンの中でエヌビディアに次ぐパフォーマンスである。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。起点を100として指数化。
メタの決算では
- 売上の大半を占める広告収益が堅調さを維持しているか
- AIへの取り組み
などに注目である。
メタは、OpenAIに対抗し、オープンソースの大規模現モデル(LLM)の最新版「Llama 3」を先日発表した。AIへの積極的な取り組み姿勢を示し、将来的な収益貢献への期待を高めた場合、株価上昇圧力となる可能性がある。年初来で70%上昇しているエヌビディアとの差を埋める決算となるか注目である。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 0% | 0% | 0% |
週次 | -7% | 7% | 1% |
S&P500種指数の今後の見通し
S&P500種指数は、RSIが売られ過ぎを示唆する30近辺まで低下後、年初からの上昇の半値戻しの水準4,973ポイントでサポートされ反発している。さらに、9日移動平均線を上方ブレイクすることに成功し、下落トレンドから転換した可能性が高まっている。
不安材料であったテスラ決算を通過し、テクニカル面で明るい材料がある中、メタの決算が事前予想を下回る内容でない限り、S&P500の上昇を見込む。S&P500は、4月4日高値を起点としたレジスタンスライン近辺、かつフィボナッチリトレースメント23.6%水準5,127ポイントへの上昇が視野に入る。
一方、メタの決算が失望を誘う結果であった場合、心理的節目である5,000ポイントでサポートされるかに注目。サポートされた場合、S&P500の地合いが強まりつつあることを投資家に印象付けよう。
【S&P500のターゲット】
上値: 5,127ポイント
下値: 5,000ポイント
S&P500日足チャート
資料:TradingView
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サムネイル画像:Björn Wylezich - stock.adobe.com
-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著