S&P500種指数は、中東情勢の緊迫化などを受け下落。米国企業の決算発表シーズンがスタートしたが、好調な滑り出し。決算は好調を維持できるか？中東情勢の不透明感が高まる中、S&P500の今後の見通しとは。
【S&P500のターゲット】
上値： 5,265ポイント
下値： 5,042ポイント
S&P500、中東情勢が重荷
S&P500種指数は、中東情勢緊迫化が重荷となり、2週連続で下落した。直近一週間のセクター別では、全てのセクターが下落し、特に金融セクターがもっとも下落した。
金融セクターでは、米国大手金融機関ＪＰモルガンが企業決算を発表し、利益は事前予想を上回ったものの、純金利収入が予想を下回ったことを嫌気し、株価が急落した。
資料：BloombergよりDailyFXが作成
| 変動 | ロング | ショート | 建玉 |
| 日次 | 8% | 7% | 7% |
| 週次 | -18% | 14% | -3% |
企業決算、好調な滑り出し
ＪＰモルガンなど大手金融機関を皮切りに、米国企業の決算発表シーズンが本格的にスタートした。S&P500種指数を構成する企業の内、6％程度しか決算発表をしていないものの、現状は、好スタートを切っている。
S&P500構成企業全体で見た、売上高、利益ともに、事前予想から上ぶれている。特に、利益は、事前予想を大幅に上回っている。
決算発表は始まったばかりであり、今後の動向に注目であるものの、好決算が続いた場合、S&P500をサポートしよう。一方、予想を下回る決算が今後増えた場合、中東情勢や高値警戒感から投資家のセンチメントが悪化傾向にある中、S&P500の下落圧力が強まる可能性がある。
また、イランによるイスラエル攻撃を受け、緊張が高まっているが、原油価格の急上昇に繋がった場合、米国株へ下押し圧力となることを見込む。原油価格上昇によりエネルギーセクターにプラスに働くものの、輸入コストや米国金利上昇に伴う企業収益の圧迫、ガソリン価格上昇などにより消費者センチメントの悪化に繋がるリスクがある。
資料：BloombergよりDailyFXが作成。
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S&P500種指数の今後の見通し
S&P500種指数は、9日移動平均線が20日移動平均線を下抜け、弱気の「デッドクロス」が示現している。また、RSIも50を下回り、投資家センチメントが弱気に転じたことを示唆している。
テクニカル面で弱気シグナルが点灯し、中東情勢が一段と不透明になる中、S&P500の調整を見込む。S&P500は、フィボナッチリトレースメント38.2%水準5,042ポイントへの下落が視野に入る。
一方、米国企業の好決算が続き、イスラエルによるイランへの報復行為などが見られなかった場合、S&P500は上昇しよう。その場合、3月28日高値5,265ポイントへの上昇を見込む。この水準を上方ブレイクすると、S&P500の上昇トレンド再開の可能性が高まる。
【S&P500のターゲット】
上値： 5,265ポイント
下値： 5,042ポイント
S＆P500日足チャート
資料：Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著
