デッドクロス: その定義とFXや株のトレードで見極める方法
「デッドクロス」は、トレンドの変化を見つける上で有用であり、また非常に使いやすいことから、トレーディング業界で良く聞く用語です。本稿ではデッドクロスのコンセプトとチャート上での見分け方について説明します。また、当社のゴールデンクロスについての記事では、トレンドの変化を分析する際に単純移動平均線と組み合わせる補足的な指標について解説しています。

デッドクロスとは?
デッドクロスは50日単純移動平均線(SMA)が200 SMAを下抜けたときに発生します。デッドクロスはマーケットに弱気の見通しを与え、短期の価格モメンタムはさらに下落し、新しい長期のトレンド(下落)へと進展する可能性があります。
50 SMAは過去50期間、たとえば日足チャートを使っている場合は過去50日間における終値を単純に平均にしたものです。そのため50 SMAは200 SMAと比べてより最近の値動きに反応します。200 SMAは過去200本の終値の平均であり、よりなだらかな線を描き、50 SMAと比べて最近の価格に対する反応が小さくなります。
トレーダーのための移動平均線(MA)の説明で、単純移動平均線の計算方法を学びましょう。
FXや株でデッドクロスを見極める方法
デッドクロスの形成には主に3つの段階があります。
- 準備段階:プライスアクションが保ち合い状態となり、または場合により、かなり長い期間上昇トレンドを続けた後に急落します。これは、上昇トレンドが勢いを失い始め、最終的にトレンドが反転する可能性を示します。この段階では50 SMAは、200 SMAより上にあります。
- デッドクロス:ここで50 SMAが200 SMAを下抜け、デッドクロスとして知られる弱気の見通しをマーケットに与えます。デッドクロスは通常、マーケットへのエントリーを探すトリガーであると解釈されます。
- 継続する下降モメンタム:デッドクロスが観察された後、プライスアクションは下降を続け、通常は新たなトレンド(下降トレンド)を生み出します。理想的にはこの段階では、短期の50 SMAがプライスアクションの動的なレジスタンスラインとして機能し、相場はしばらくの間、50 SMAより下でトレードされることになります。




単純移動平均線はFXや株の「遅行指標」
現在のマーケット状態の分析を助けるにあたって、過去のプライスアクションに依存しているという性質上、単純移動平均線は遅行指標です。本質的に、SMAには遅行期間があり、その結果、値動きが発生して少し経過してからシグナルが生成されます。
これを機会の損失と見る人もいれば、「現在の動きは短期の押し目や戻りではなく、トレンドが本当に変化した」という大きな確信を提供してくれる遅行シグナルを評価する人もいます。スキャルパーやデイトレーダーなどの短期トレーダーは、小さな動きを利用し、入力条件を調整することにより、短期および長期の移動平均線に組み込むローソク足の本数を少なくして指標の反応を向上させることができます。