WTI原油は、フーシ派による紅海でのミサイル攻撃で初の死者が確認されたことや、米国ガソリン在庫が大幅に減少したことが、価格を押し上げた。WTI原油価格は、80ドルのトライが続いているが、今後の見通しとは。
【原油価格のターゲット】
上値①:80.00ドル
上値②:81.39ドル
下値:200日移動平均線(現在77.88ドル)
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原油価格上昇
WTI原油価格は、米国の週間原油・ガソリン在庫データにて、ガソリン在庫が大幅に減少したことや、原油在庫が予想ほど増加しなかったことなどから、需給が引き締まるとの思惑が価格を押し上げた。
ガソリンは原油を精製して作られるため、ガソリン在庫の減少は将来的な原油の需要増加に繋がる可能性がある。
また、イエメンの武装組織フーシ派による紅海でミサイル攻撃により、初の死者が確認され、中東情勢が一段と緊迫化したことも、原油価格の上昇圧力となった。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。
原油需給改善の兆し
原油先物の価格動向をみると、原油の需給が改善しつつあることを示唆している。
原油先物の直近限月(一番早く満期日を迎える原油先物)と次の限月(次に満期日を迎える原油先物)の価格差をみると、マイナスからプラスに転換している。
一番早く満期を迎える原油先物の直近限月の価格が、次に満期を迎える限月の原油先物に比べて価格が高い、価格差がプラスの状態は、足元の原油に対する需要が増していることを示唆している。
また、価格差のプラス幅が拡大基調であり、一段と原油の需給改善の兆しを示している。このことは、原油の需給改善に伴い、WTI原油価格が一段と上昇する可能性がある。
原油先物 限月間の価格差
資料:Trading View
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WTI原油価格の見通し
WTI原油価格(1バレル)は、80ドルを終値ベースで明確に上抜けていないものの、RSIは50を上回っており、原油価格の強気モメンタムが維持されている。また、右肩上がりの200日移動平均線がサポート転換しており、原油価格の地合いが強まりつつことを示している。
テクニカル面で強気シグナルが点灯し、原油需給に改善の兆しがみられる中、原油価格の一段高を見込む。WTI原油価格は、心理的節目である80ドルを超えると上昇圧力が一段と強まる展開を見込む。80ドルを上方ブレイクした場合、10月20日から12月13日にかけての値動きに基づいたフィボナッチリトレースメント61.8%水準81.39ドルへの上昇が視野に入る。
原油価格の地合いが強まりつつある中、原油価格の下値余地は限定的とみる。原油価格が下落した局面でも、引き続き200日移動平均線(現在77.88ドル)でサポートされることを見込む。
【原油価格のターゲット】
上値①:80.00ドル
上値②:81.39ドル
下値:200日移動平均線(現在77.88ドル)
WTI原油価格日足チャート
資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著