エヌビディア(NVDA)が19日に10%下落、3月高値から20%下落。投資家心理が悪化する中、テスラ、メタ、アルファベット、マイクロソフトの決算発表がせまる。重要決算を控える中、ナスダック100の今後の見通しとは。
【関連記事】テスラ決算、12%上昇。メタ決算、エヌビディアに挑む。S&P500見通し(2024年4月24日公開)
【ナスダック100のターゲット】
上値:17,750レベル
下値①:16,781レベル
下値②:16,262レベル
エヌビディア大幅下落
エヌビディア(NVDA)が急落している。3月の高値から、終値ベースで20%の大幅下落である。エヌビディア固有の悪い材料がある訳ではなく、年初来では依然として60%近く上昇しており、調整の側面が強い。
ただし、投資家がエヌビディアをはじめとした大型ハイテク株に対し、高値警戒感を抱き始めたことを示している。
アルファベット(Googleの親会社)を除く米国主力ハイテク株(マグニフィセントセブン)も、足元下落基調が鮮明である。
資料:BloombergよりDailyFXが作成
テスラ、メタ、アルファベット、マイクロソフト決算
投資家の不安・警戒が一時的なものにとどまるのか、それとも一段と不安心理が高まるかを占う上で重要な企業決算が始まっている。既に大手金融機関などが決算を発表しているが、今週より、大型ハイテク株が決算を発表予定である。
4月23日にテスラ、24日にメタ(フェイスブック)、25日にアルファベット(グーグル)およびマイクロソフトが決算を発表する。
米国大型ハイテク株:決算発表予定日
資料:各種資料を基にDailyFXが作成。
特に、テスラの決算に注目である。テスラ(TSLA)は、EV市場の減速、競合との競争激化などを背景に業績悪化が続いている。さらに、一株当たり利益(EPS)は、下がった期待値を更に下回る実績を2四半期連続で示している。
テスラに対する期待値は、大幅に低下し、23日発表の決算でも、前期を大幅に下回るEPSが予想されている。この低い予想をも下回った場合、投資家心理が悪化傾向にある中、テスラ株を含む米国株の下落圧力が一段と強まる可能性がある(テスラ決算予想は「テスラ決算予想:予想未達に終止符打てるか? アナリストは「ホールド」- 2024年第1四半期」をご覧ください)。
一方、メタ(META)、アルファベット(GOOGL)およびマイクロソフト(MSFT)は、良好な業績、かつ事前予想を上回る決算発表が続いている。今期も、今まで同様、好業績を示した場合、投資家の不安心理改善に寄与することを見込む。
一株当たり利益:テスラ、メタ、アルファベット、マイクロソフト
資料:Trading EconomicsよりDailyFXが作成
ナスダック100指数の見通し
ナスダック100指数は、17,750~18,400レベルのレンジを下方ブレイクした後、下落トレンドが鮮明になっている。9日移動平均線も20日移動平均線を下抜け、弱気の「デッドクロス」が成立した。
一方、RSIは売られ過ぎを示唆する30まで下落しており、ナスダック100の反発の可能性を示唆している。
テクニカル面で強弱入り混じるシグナルが点灯する中、テスラをはじめとする重要銘柄の決算次第で、上下双方に動く展開を想定したい。
ナスダック100が下落した局面では、10月から3月にかけての値動きに基づいたフィボナッチリトレースメント38.2%水準16,781レベルでサポートされるかに注目。この水準を下方ブレイクすると、半値戻しの水準16,262レベルへの下落が視野に入る。
一方、テスラが業績改善の兆しを示すなど、重要企業から好決算が示された場合、ナスダック100が上昇することを見込む。その場合、ナスダック100はレンジの下限であった17,750レベルへの上昇が視野に入る。この水準を上方ブレイクすることに成功した場合、ナスダック100の下落トレンドが終了した可能性が高まる。
【ナスダック100のターゲット】
上値:17,750レベル
下値①:16,781レベル
下値②:16,262レベル
ナスダック100指数日足チャート
資料:TradingView
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著