WTI原油価格・NY金価格は、イスラエルがイランへ再報復を実施したことから急上昇。攻撃の詳細が不明であることから原油、ゴールドともに値動きが荒くなる可能性。中東情勢が緊迫化する中、原油、金価格の今後の見通しとは。
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【原油価格のターゲット】
高値：87.63ドル
下値：80.00ドル
【金価格のターゲット】
上値：2,487ドル
下値：9日移動平均線（現在2,367ドル）
1．イスラエル、イランを攻撃
イスラエルが、イランへの再報復とし、イランの拠点をミサイルで攻撃したとの報道を受け、WTI原油価格が急騰している。詳細は不明であるものの、中東情勢の一段の緊迫化、原油供給の不透明感が高まったとの思惑が原油価格を押し上げている。
原油価格は、報道前に82ドル前後で推移していたが、イスラエルの攻撃を受け、85ドル台に上昇、現在は84ドル前後で推移している。
WTI原油価格
資料：TradingView
金価格も、原油同様に急上昇している。中東情勢の悪化を受け、安全資産としての需要が価格を押し上げ、一時2,400ドル台まで上昇した。
NY金スポット価格（ドル建）
資料：TradingView
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2．WTI原油価格の見通し
WTI原油価格（1バレル）は、中立パターンである「対称三角形（シンメトリカルトライアングル）」パターンを下方ブレイクし、下落圧力が強まっていた。しかしながら、イスラエルによるイラン攻撃を受け、トライアングルパターンの下方トレンドライン近辺まで一時上昇した。
攻撃の詳細が不明であることから、原油価格の値動きの荒い展開が想定される。ただし、中東情勢の一段の悪化を受けても、トライアングルパターンの下方トレンドラインの下方トレンドラインをブレイクできなかった場合、原油価格の地合いが弱いことを印象付けよう。
その場合、原油価格は、心理的節目である80ドルへ向けて下落する展開を見込む。
一方、下方トレンドの上方ブレイクに成功した場合、上昇トレンドへの転換が視野に入り、4月5日高値87.63ドルへの上昇が視野に入る。
【原油価格のターゲット】
高値：87.63ドル
下値：80.00ドル
WTI原油価格日足チャート
資料：TradingView
3．NY金価格の見通し
NY金価格（スポット、ドル建）は、中東情勢の緊迫化を受け、レジスタンスとなっていた2,400ドルを一時上方ブレイクした。イスラエルによる攻撃の詳細が不透明であることから、金価格も上下双方に値動きが荒くなる可能性がある。
ただし、レジスタンスである2,400ドルを終値ベースで上方ブレイクすることに成功した場合、中東情勢を巡る緊張が緩和しない限り、金価格の上昇圧力が強まる展開を見込む。その場合、金価格は、2月から3月にかけての値動きに基づいたフィボナッチエクスパンション161.8％水準2,487ドルをトライしょう。
一方、イランの被害が限定的なものに留まり、イスラエル・イラン双方ともに、更なる戦火の拡大を示唆しなかった場合などは、安全資産としての需要が後退、金価格が下落する可能性がある。その場合、金価格は9日移動平均線（現在2,367ドル）への下落が視野に入る。
【金価格のターゲット】
上値：2,487ドル
下値：9日移動平均線（現在2,367ドル）
NY金スポット価格（ドル建）日足チャート
資料：TradingView
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推薦者： 木全哲也
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著
