トレードにフィボナッチエクスパンションツール(フィボナッチエクステンション)を使用する方法
フィボナッチエクステンションは、フィボナッチリトレースメントと同様に、フィボナッチの数と比率を使用してサポートラインとレジスタンスラインの将来の水準を描きます。これは、最初の強い値動きの戻し(リトレースメント)の後、トレンドの継続が予想されるときに便利なツールで、どのマーケットでも適用できます。



フィボナッチエクステンションの説明
本稿はフィボナッチリトレースメントとフィボナッチ数の基礎知識にもとづき構築されています。そのため、フィボナッチサブモジュール内のフィボナッチの基本についての記事を読み、これらのコンセプトを理解してからお読みになることを強くおすすめします。
主要なフィボナッチ数と1.618の比率を強調したフィボナッチスパイラル

フィボナッチリトレースメントは、元の値動きのうち、どこまで相場が戻すかを判断するために使用されるのに対し、フィボナッチエクスパンションは戻しが終わった後、価格がどこまで進むかを判断するために使用されます。
チャートにフィボナッチエクステンションを適用する方法
フィボナッチエクスパンション、またはフィボナッチエクステンションは、シンプルな3ステップで価格チャートに適用することができます。フィボナッチツールを選択した後、以下の順序でチャート上の3つの点をクリックしてください。
上昇トレンドでは、参照ポイントは安値(A)、高値(B)、安値(C)となります。下降トレンドでは、参照ポイントは高値(A)、安値(B)、高値(C)となります。

- ベースとなる最初の大幅な値動き:下のDXYチャートにあるA点は、元の最初の値動きの起点を示しています。
- 最初の値動きの天井:B点は最初の値動きの天井を示し、ここは戻しの起点でもあります。
- 戻しの終了地点 – 直近の安値:C点は、戻しの終了地点を示しており、フィボナッチエクステンションの3つめのポイントです。C点は、大陽線によって示された、最初の値動きの方向への強い動きにもとづき、合理的な程度の自信を持ってマークされています。
- 最初の値動き:A点とB点を結ぶ線AB
- 戻し:線BC
- トレンド継続:C点から開始し、最初のトレンドの方向への可能性としてのサポート/レジスタンスラインへのフィボナッチエクステンションを予想

フィボナッチエクステンションをトレードで使用する方法
下のチャートは標準的なフィボナッチ水準/比率と点Dを示しています。点Dは線BCの戻しの安値から、最初の値動きの方向へ、100%進んだ、つまり「エクステンション(延長)」した点です。線CDは線ABと同じ長さです。

下のチャートを細かく見ていくと、サポートラインまたはレジスタンスラインとして機能しているフィボナッチ水準の近くで、価格が小休止している水準または広いゾーンがあります。特に重要なのは61.8%水準です。この水準は将来のプライスアクションの潜在的なサポートラインまたはレジスタンスラインとなる場合があり、よくモニターする必要があります。
たとえば、直近の安値C点の後すぐにマーケットにエントリーする強気のトレーダーは、61.8%水準を最初のエクジットポイントとして見ることができ、また100%エクステンション(D点)は2つめのエクジットポイントを示唆している場合があります。同じ長さの2本の足に対する価格トレンドの修正が入る場合がよくあるため、100%エクステンションにおいて相場の勢いが失われた場合、焦点は61.8%のエクステンションの最初のサポートに移ります。価格はその後押し戻されますが、61.8%のエクステンションがサポートラインとして機能し反発している様子がチャートで示されています。エクステンションは基本のトレンドラインのように使用すべきであることを常に忘れないでください。サポートラインのブレイクにより、そのラインはレジスタンスラインとなることがあり、その逆もあり得ます。

プライスアクションが他の動きを示さない限り、トレーダーはトレンドの方向へのエントリーを検討すべきであり、そのためこの例ではロングでのトレードとなります。しかしこの種の分析は、マーケットへのショートでのトレードでも同じように適用されます。


