ローソク足パターンは、FXや株などのチャートのテクニカル分析をおこなううえでとても重要なツールです。パターンを把握しておくことで、市場のトレンドを読み取って今後の値動きを予測きるようになるため、次の戦略の決定しやすくなります。ローソク足には、相場の上昇や下落を示すシグナルとなるさまざまなパターンがあります。本記事では、トレードを有利に進めるために知っておくべき9種類の基本的なパターンについて紹介します。
ローソク足パターンとは？
ある資産の一定期間の値動きを表す1本の棒のことです。下図のように、ローソク足1本で、ある一定期間の高値、安値、始値、終値を表しています。
1本、あるいは数本のローソク足が形作るパターンを理解することで、値動きが予測しやすくなります。パターンはチャート上に図形で示され、相場分析に利用されます。
ローソク足パターンには強気と弱気がある
最もよく使用されるローソク足パターンをトレード戦略に適用するには、各パターンが相場の方向（トレンド）にどのように影響するかを理解する必要があります。以下の表は、2つの主な値動きと、それを示唆するローソク足についてまとめたものです。
強気のローソク足パターン:
| ローソク足パターン | 方向 |
|---|---|
| 明けの明星 | 強気（反転） |
| 陽の包み足 | 強気（反転） |
| 同時線 | 強気/弱気（迷い） |
| ハンマー | 強気（反転） |
| 陽のはらみ足 | 強気（反転） |
| 切り込み線 | 強気（反転） |
| 長いヒゲ | 強気/弱気（反転） |
弱気のローソク足パターン:
| ローソク足パターン | 方向 |
|---|---|
| 宵の明星 | 弱気（反転） |
| 陰の包み線 | 弱気（反転） |
| 同時線 | 弱気/強気（迷い） |
| 陰のはらみ線 | 弱気（反転） |
| かぶせ線 | 弱気（反転） |
| 長いヒゲ | 弱気/強気（反転） |
| 流れ星 | 弱気（反転） |
FXトレーダーが知っておくべきローソク足パターン9選
1. 宵の明星と明けの明星
- 宵の明星と明けの明星は、上昇トレンド/下降トレンドの終わりに現れ、トレンドの転換を示す傾向があります。
- この名称はこのフォーメーションが星の形をしていることに由来します。
- 下の図にあるように1本目のローソク足はトレンドの方向にあり、次に実体の短いローソク足が続きます。3本目のローソク足は反転して、理想的には終値が１本目のローソク足の中間、50％の地点を超えています。
- このローソク足パターンを利用する場合は、反転した方向のローソク足を確認する必要があります。例えば、宵の明星の後には陰線のローソク足が続くことを確認しましょう。
2. 強気の包み足と弱気の包み足
- 強気、あるいは弱気の包み足は、トレンド転換の可能性を示します。
- 強気の包み足のローソク足パターンは強気が弱気を上回っていることを示唆し、１本目の陰線、下図では赤色のローソク足を２本目の緑色の陽線の実体が完全に包み込む状態のことです。
- 弱気の包み足パターンでは、短い陽線ローソク足を２本目の大きな陰線ローソク足が包み込みます。
3. 同時線
- 同時線のローソク足パターンは、相場の迷いを表します。
- もみ合い、または現在のトレンドが転換する可能性を示しており、上昇トレンドの天井や下降トレンドの底、またトレンドの途中でも現れます。
- 長い上ヒゲと下ヒゲに挟まれた、実体が極めて短いローソク足です。
4. ハンマー
ハンマーは強気への反転サインとされ、通常、下降トレンドの底で現れます。このパターンのローソク足は実体が短く、始値と終値はほぼ同じ水準です。実体の下に長いヒゲがあり、その長さが実体の２倍以上あるものを指します。このパターンは、相場は新安値まで下げたものの、その後の買い圧力で価格が押し上げられて引けているため、反転を示唆します。 実体は陽線と陰線、どちらもあり得ますが、陽線の方がさらに強いシグナルとみなされています。
5. 陰または陽のはらみ線
- はらみ線はトレンドの転換または継続を見極めるために重宝されています。
- 「はらみ」という言葉は日本語で妊娠を意味し、このローソク足パターンが妊婦に似ていることからその名が付けられました。このパターンを形づくる2本目のローソク足は、１本目の実体内に収まっている必要があります。
- 一般的に陽のはらみ線は下降トレンドの後に、陰のはらみ線は上昇トレンド陰の後に現れます。
6. かぶせ線
- かぶせ線は、上昇トレンドの天井で現れる弱気への反転シグナルです。
- 下図のように、陽線のローソク足の次に陰線のローソク足が続きます。
- この陰線のローソク足が次の2つの基準を満たしていれば、かぶせ線とみなされます。
- 始値が前日の終値より高く、
- 終値が前日のローソク足実体の中間点を下回っていること
が条件です。
- かぶせ線は陰の包み線と似ているように見えますが、違いは2本目のローソクです。弱気の包み足では2本目のローソク足は1本目の終値より高く始まり実体で包み込むのに対し、かぶせ線では1本目のローソク足の高値より高く始まり、1本目のローソクの実体の中間点より下が終値となります。
7. 切り込み線
- 切り込み線のパターンは強気への転換サインとみなされ、上昇トレンド中の一時的な下落局面の終わりか、サポートライン付近で現れます。
- 切り込み線パターンは陽線と陰線、２本のローソク足で構成されます。
- 相場が下落している中、２本目のローソク足は、始値が1本目の終値より低く寄り付き、１本目の実体の50％より上の水準で引けます。
- 切り込み線もかぶせ線も似たような性質を持ちます。違いは、切り込み線は上述のように強気の反転パターンであるのに対し、かぶせ線は弱気の反転パターンであるという点です。
8. 長いヒゲ
- 長いヒゲのあるローソク足パターンは、多くの場合、トレンド転換を示唆します。
- 長いヒゲは相場の勢いがなくなったときに現れます。例えば、ローソク足の下に長いヒゲが伸びている場合は、価格は一旦、大きく下げたものの、その後押し戻され、買い手の強さを示しています。
- 長いヒゲは、主要な価格水準や相場のトレンドを特定する際によく使われます。
- 長いヒゲのパターンでは、節目となる価格とプライスアクションを組み合わせて使用することがよくあります。
9. 流れ星
- 流れ星は長い上ヒゲの付いた陰線のローソク足で、下ヒゲはほとんど、または全くなく、終値はその日の安値付近の実体の短いローソク足です。上昇トレンド後に現れ、下降トレンドへの転換を示唆します。
- ローソク足の高値と始値の間の距離は、実体の２倍以上なければなりません。その日の安値と終値の間の距離は非常に狭いか、まったくないものが当てはまります。
ローソク足を使ったトレードに関する情報
- ローソク足チャートの基本を理解することは、より複雑なローソク足パターンを使用するための必須条件です。「ローソク足パターンに関する学習コンテンツ」にてこれらの基本事項について学習いただけます。
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