NY天然ガスは上昇から一転、7日に5％超下落した。足元上昇していたことの反動に加え、天然ガスの需給の緩みが意識された。足元の天然ガスの生産・輸出動向は？そして、NY天然ガス価格の今後の見通しとは。
【天然ガス価格のターゲット】
上値： 2.000ドル
下値①：1.765ドル
下値②：1.708ドル
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天然ガス大暴落
NY天然ガス価格が7日に5％を超える大幅下落を記録した。足元、天然ガス価格が上昇していたことに伴う利益確定の動きに加え、米国の週間在庫統計にて、在庫の減少が予想の範囲内であったことなどが背景にある。主要な商品の中でも際立つ下落である。
資料：BloombergよりDailyFXが作成。
米国にて例年と比べ温暖な気候が続いていることなどを背景に、天然ガスを用いた暖房需要が低迷しており、天然ガスの在庫が過去と比べて高水準で推移している。
在庫が高水準で推移していることは、2023年以降続いている。既に市場参加者に認知されているものの、需給が緩んでいることから、天然ガス価格が上昇した局面では、利益確定の動きが出やすい状況である。
資料：EIAよりDailyFXが作成。
天然ガス生産・消費・輸出動向
暖房需要の低迷などを背景に、天然ガスの消費は低迷が続いている。また、米国のLNG（液化天然ガス）生産大手、米フリーポートLNG社の生産設備が最近まで稼働停止していたことを受け、LNGの輸出・生産が停滞している。
LNGの輸出・生産の停滞は、気体である天然ガスがLNGを生産するために用いられないため、米国内で天然ガスが余る可能性に繋がる。
一方、明るい材料も出つつある。価格低迷を受け、採算が合わないことから、天然ガスの生産が減少傾向にある。また、米国からの天然ガスの輸出も増加の兆しがある。
天然ガスの需給が緩んでいる状況が続いているものの、天然ガス価格の大幅下落を受け、需給の改善の兆しが見られた場合、天然ガス価格が大きく上昇する可能性がある。天然ガスの在庫状況に加え、天候、生産、消費、輸出等の動向の重要性が一段と高まっている。
資料：BloombergよりDailyFXが作成。
NY天然ガス価格見通し
NY天然ガス価格は、2.00ドルがレジスタンスとなり、反落している。天然ガス価格は、9日移動平均線を下方ブレイクし、上昇圧力が後退した可能性がある。ただし、MACDラインはシグナルラインを上回っており、上昇トレンドであることを示唆している。
テクニカル面で強弱入り混じるシグナルが点灯する中、天然ガス価格は上下双方に動く展開を想定したい。
NY天然ガス価格が下落した局面では、2月20日から3月5日にかけての上昇の半値戻しの水準である1.765ドルでサポートされるかに注目。サポートされなかった場合、フィボナッチリトレースメント61.8%水準1.708ドルへの下落が視野に入る。
一方、足元の大幅下落は利益確定に伴う短期的な調整の可能性がある。NY天然ガス価格が再び上昇した場合、レジスタンスである2.00ドルへの上昇を見込む。
【天然ガス価格のターゲット】
上値： 2.000ドル
下値①：1.765ドル
下値②：1.708ドル
天然ガス価格（NG1）日足チャート
資料：Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著
