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ドル・スマイル理論:景気回復または景気後退はドルをどう動かすか?

ドル・スマイル理論:景気回復または景気後退はドルをどう動かすか?

居林有里, 翻訳・編集主幹
翻訳者

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このページの内容

※2023年4月20日15時48分更新

ドル・スマイル理論を数値化 - 特別レポート

  • 米ドル(以下、ドル)は外国為替市場において準備通貨としての特有の役割を担っている
  • つまり、地域経済が大きく成長したり減速するとき、ドルは上昇する傾向にある
  • 経済指標に裏打ちされた「ドル・スマイル理論」についての詳細は以下の通り
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市場の自然な動きに左右される「変動」通貨は、その国の経済と正の関係を持つ傾向がある。つまり、経済が成長し、インフレ率が上昇すると、中央銀行が金利を引き上げるため、通貨は上昇する傾向にあり、その逆もまた然りである。しかし、ドルのような例外もある。

「ドル・スマイル理論」という言葉を聞いたことがあるだろうか。これは、経済が好調なときだけでなく、景気後退など問題を抱えているときにもドルが上昇する傾向があることを説明するための概念である。好景気もしくは景気後退という両極端な状況のどちらでもなく、経済がその中間に位置しているとき、ドルはしばしば下落圧力にさらされる。

なぜこのような特異な性質が存在するのかを理解するには、世界の金融市場におけるドルのユニークな役割について基本的に理解する必要がある。ドルは世界の準備通貨である。国際決済銀行によると、ドルは2019年、世界の為替取引の約90%で使用された。これは、世界で最も流動性の高い取引通貨であることを意味している。

米国がくしゃみをすると、世界が風邪を引くということわざがある。経済状況にストレスがかかると、トレーダーは市場のポジションを手仕舞い、安全な資産へと資金を移動させる。その際、トレーダーが選択するのはドルであることが多く、それが故にドルは安全な資金の逃避先と言われている。このような需要の高まりは、不況期にドルが上昇する傾向があることの説明にもなっている。いくつかの資産と比較して、ドルのパフォーマンスは米国の不況の始まりに最も良い結果をもたらす傾向がある

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下図は「ドル・スマイル理論」を可視化したものである。しかし、この情報をどのように活用すればいいのだろうか? さて、この記事の目的は、この概念を数値化し、ドルと経済の動きとの関係が現実の世界でどのように成り立っているかを示すことである。国内総生産(GDP)、失業率、米供給管理協会(ISM)による製造業の購買担当者景気指数(PMI)、新車販売台数といった経済指標がドルに与える作用について見ていきたい。記事を最後まで読み、ドルについてより深く理解していただければ幸いである。

ドル・スマイル理論

基本ルールを定める

経済指標の話に入る前に、基本ルールを確認しておきたい。まず、すべてのデータは1976年以降の前年同期比で見た四半期の数値である。次に、各経済指標の極端な異常値(平均値から±3の標準偏差以上)は除外している。これにより、統計的な有意性を高め、変動制を抑えることができる。また、ほとんどの場合、各経済指標は異なる四半期から外れ値を除外している。

最後に、ブルームバーグの相関・加重通貨指数 (BCWI) を使用する。これは、通常使用する為替レートとは異なり、通貨の一般的な動きを捉えたいと考えているためである。

GDPの場合

下図を見ると、GDP(または経済成長率)とドルは「U字型」の相関関係にあることが分かる。これは、実際の経済指標で実践されたスマイル理論である。この曲線は、左右の緑色のゾーン(GDPの値に応じてドルが上昇すると予想される場所)と、赤色のゾーン(ドル安が予想される場所)に分けられる。GDP成長率(前年同期比)が1.5-4.0%の間は、ドルにとっては「ダメージ」ゾーン、つまり1年前と比較してドル安になると見られている。この範囲外の成長率の値の場合は、平均してドルは上昇する。

四半期におけるドルのパフォーマンスが1年前と比較して変化するのは、そこに多くの要因が存在しているからという点に留意する必要がある。そのため、GDPの「レッドゾーン」付近ではドルのパフォーマンスが良く、「グリーンゾーン」では調子が悪いということが時々見られる。今回は、経済指標だけに絞って、ドルとの非線形な関係を浮き彫りにすることを目的としている。

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1976年以降の四半期GDP(前年同期比、外れ値は除く)

失業率の場合

失業率はどうだろうか。GDPと同じく、ドルと「U字型」の関係がある。ここで厄介なのは、失業率の場合はGDPと逆に考える必要があることである。失業率が上がっているときは経済にとって良くなく、その逆もまた然りだ。

このデータによると、失業率が-5%から+25%(前年比)の間で推移しているとき、ドルは「危険」ゾーン域に入ると考えられる。この範囲を外れると、ドルは歴史的に主要通貨に対して上昇する傾向がある。

1976年以降の四半期ごとの失業率(前年同期比、外れ値は除く)

ISM製造業PMIの場合

次に、産業部門の活動がドルに与える影響を測るため、米供給管理協会(ISM)による製造業の購買担当者景気指数(PMI)を見てみよう。ここでも「U字型」の関係が見て取れる。この指標が-5%から+30%(前年同期比)のときにドルは「危険」ゾーン入りするようだ。この範囲外の数値だと、ドルは上昇する可能性が開かれる。

1976年以降の四半期ごとのISM製造業PMI(前年同期比、外れ値は除く)

新車販売台数の場合

最後に、新車販売台数の合計を前年同期比で表したものを紹介する。GDP、失業率、ISM製造業PMIと同様に、ドルとの関係は「U字型」である。新車販売台数が-7.5%から+7.5%の間になったとき、ドルは「危険」ゾーンに入るようだ。一方、平均的に、このゾーンから数値が外れると、ドル高になる傾向がある。

1976年以降の四半期ごとの新車販売台数(前年同期比、外れ値を除く)

結論

上記の説明から、ドル・スマイル理論とは何か、実際にどのように機能するのか、ご理解いただけただろうか。重要なのは、経済指標が大きく予想を上回ったときや、景気後退期などに予想を大きく下回ったとき、ドルは大きく上昇する傾向があるということである。経済指標がこの両極端な結果の中間にあると、ドル安となる傾向がある。本記事ではそれを数値化してみた。この特別レポートをお楽しみいただけたなら、ぜひTwitterでフォローをお願いします(英語のみ)!

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--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著

ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。

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