S&P500は、3日間で3%超上昇、2023年11月以来の大幅上昇。FRBの利下げ観測後退に加え、企業決算が株高をサポート。80%の企業が発表を終えた決算の動向、そしてS&P500種指数の今後の見通しとは。
【S&P500のターゲット】
上値①: 5,284ポイント
上値②: 5,200ポイント
下値: 5,106ポイント
S&P500大幅上昇
米国雇用統計がさえない結果となったことに加え、FOMC(米連邦公開市場委員会)にて、予想ほどタカ派なトーンが示されなかったことから、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測が進展、米国金利が低下した。
米国金利が低下したことに伴い、米国株が大きく上昇している。S&P500種指数の3日間の上昇率としては、昨年11月以来の大幅上昇であった。アップルの決算にて、中国事業の落ち込みが想定以下であったことなども、投資家に安心材料となった。
S&P500以外でも、主要な株価指数すべて上昇基調が鮮明になっており、地合いが強いことを示唆している。米国株の上昇地合いを支えている背景に、堅調な企業決算も寄与している。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。
堅調な企業決算
S&P500指数構成企業のうち、約80%の企業が1-3月期決算発表を終えた。これまでに決算を発表した企業のうち、売上高は約57%の企業が、一株当たり利益は80%の企業が事前予想を上回っており、堅調な企業業績を示した。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。事前予想はBloomberg集計値。
また、S&P500指数構成企業全体で見た場合、利益の事前予想からの乖離が増加している。売上高の事前予想からの乖離率も前期並みを維持しており、FRBによる積極的な利上げの逆風下でも、堅調な企業業績を維持していることを示した。
1-3月期決算発表を大方終えた中、堅調な業績が続いていることが確認され、米国株のサポート材料になっている。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。事前予想はBloomberg集計値。
S&P500種指数の今後の見通し
S&P500種指数は、4月中旬までの下落の半値戻しの水準5,106ポイントを上方ブレイクし、上昇圧力が一段と強まった可能性がある。RSIも50以上に転換し、S&P500のモメンタムが強気に転じたことを示唆している。
テクニカル面で強気シグナルが点灯し、堅調な企業決算が続いている中、S&P500の上昇を見込む。S&P500が、水平レジスタンスライン5,200を上方ブレイクできるかに注目。終値ベースでブレイクに成功すると、4月1日高値5,284ポイントへの上昇が視野に入る。
S&P500が下落した局面では、半値戻しの水準5,106ポイントがサポート転換しているかに注目。サポート転換していることが確認された場合、S&P500の地合いが強いことを投資家に印象付けよう。
【S&P500のターゲット】
上値①: 5,284ポイント
上値②: 5,200ポイント
下値: 5,106ポイント
S&P500日足チャート
資料:TradingView
原油価格の動きは、米国株を含めたすべてのトレーダーが注目すべき、市場を動かす重要な要素です。原油価格の見通しを以下のバナー(無料)より、今すぐ入手してください。
トレードに役立つ情報を、X(@Tetsuya_DailyFX) で配信中。
また、デイリーFXのXやYouTubeにて、経済指標や学習コンテンツなどを配信中。今すぐチェック!
-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著