※2023年9月12日17時43分更新
原油、WTI、ブレント、イラン、ドル、米CPI、ユーロ/ドル、ユーロ、欧州中銀、金 - トーキングポイント
13日（日本時間21時半）に8月米消費者物価指数（CPI）の発表を控え、市場がドルの方向性を見極めようと様子見ムードとなる中、原油先物相場は12日の取引に向けて値を切り上げ続けている。
米原油先物指標のウエスト・テキサス・インターミディエイト（WTI）は87.50ドルを再び上回り、ブレントは91ドル近辺で推移している。
きょう、拘束中の米国人5人の解放と引き換えに、米国が最大60億ドルのイランの資産に対する口座凍結措置を解除するとの報道があった。
両国間の協議が前向きに進展すれば、世界市場により多くの原油が供給される可能性がある。
きょう発表の米国石油協会（API）の週間石油在庫統計を間近に控える中、価格は昨日付けた10カ月ぶりの高値が目前に迫っている。在庫がさらに減少すれば、ボラティリティが上昇するかもしれない。
OVX指数は、VIX指数がS&P 500種株価指数のボラティリティを測定するのと同様に、原油価格のボラティリティを測定する。
下図は、WTI原油先物のボラティリティが、価格の上昇にもかかわらず低迷していることを示している。
WTI原油先物とボラティリティ指数 (OVX)
資料：TradingView
続いて13日には米エネルギー情報局（EIA）が週間石油統計を発表する。EIAは今週、石油輸出国機構（OPEC）と非加盟産油国でつくるOPEDCプラス同様、月次報告も公表する。
明日に米CPIの発表を控える中、11日に下落したドルは、きょうも軟調に推移している。ブルームバーグのエコノミスト調査では、8月の米CPI総合指数は前年同月比3.6％上昇、米CPIコア指数は同4.3％上昇と見られている。
金利市場は、米連邦準備制度理事会（FRB）が年内に利上げに踏み切るかどうかの判断を迷っており、25ベーシスポイント引き上げの確率は50％程度と見方が割れている。CPI数値が上下どちらかに振れた場合、この確率は大きく変化し、ドルの需要に影響を与える可能性がある。
FRB市場金利予想
資料：ブルームバーグ、tastytrade
米金融大手モルガン・スタンレーが11日、米電気自動車（EV）大手テスラの格付けを中立から買いに引き上げたことで、テスラの株価は10％超上昇し、ナスダックは1.14％高で現物取引を終えた。
ただ、他の米国株式相場は小幅高にとどまり、それを引き継いで、12日のAPAC（アジア太平洋地域）の株価指数は小動きとなった。先物は、欧州と北米の取引も動きの少ない寄り付きとなることを示唆している。
スポット金とスポット銀の価格は、それぞれ1,920ドル、23.20ドル近辺で取引されている。
本記事執筆時点でユーロ/ドルは1.0750近辺で推移している。金利市場では、今週木曜に欧州中央銀行（ECB）が25ベーシスポイントの利上げを実施する可能性は40%程度と見られている。
ECB市場金利予想
資料：ブルームバーグ、tastytrade
英国で雇用統計、ドイツではZEW（欧州経済研究センター）が発表するZEW景況感指数が発表され、米国ではきょう午後にiPhone 15とiPhone 15 proの発表が予定されている。
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--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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