※2023年8月9日17時13分更新
豪ドル、豪ドル/米ドル、米ドル、中国のCPI・PPI、原油、金 - トーキングポイント



豪ドルは、米ドル高が進行し、主要貿易相手国である中国の景気先行き懸念が強まる中、昨日2カ月ぶりの安値を付けたが、きょう9日は底堅く推移した。
中国の7月消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.3%低下と、2021年初頭以来初めてマイナスに転落した。同時に、7月の中国生産者物価指数(PPI)は前年同月比4.4%低下となり、予想を下回った。
昨日発表された中国貿易統計では輸出入ともに大幅に減少し、中国国家統計局がきょう発表したCPIとPPIも共に振るわない内容となった。
さらに、中国の大企業のひとつである碧桂園(カントリー・ガーデン)が米ドル建て債券の利払い不履行に陥ったことも、市場心理を悪化させた。30日間の猶予期間はあるものの、週末に支払われるはずだったクーポンは9日の時点で支払われていない。
先月は中国共産党中央政治局が会議を開き、中国が景気刺激策を打ち出すとの期待感が高まった。
市場は世界第2位の経済大国である中国の景気が好転するとの確信を得たく、中国政府の支援政策に対し、一定の期待を持っているようだ。
いずれにせよ、APAC(アジア太平洋地域)の株式は、1%超上昇した韓国総合株価指数(KOSPI)以外は小動きで、ほとんどの指数が小幅下落となった。
先物は、米国株の現物市場が昨日とほぼ同じ水準で始まることを示唆している。
同様に、為替市場も9日の寄り付きはやや低調だった。米ドル相場は8日の上昇を引き継いで堅調に推移している。
本記事執筆時点で、金先物相場は小幅高、原油先物相場は小幅安となっている。最新価格はこちらでご覧いただけます。
米国債利回りは8日に、特に5年債またはそれより長期の債券で利回りの低下が目立ったが、きょう9日はほぼ横ばいで推移している。
今夜(日本時間)は、住宅ローン申請件数など米国でいくつかの経済指標が発表される。
済経指標カレンダー全体はこちらでご覧いただけます。



豪ドル/米ドルのテクニカル分析
豪ドル/米ドルは過去6カ月間、0.6459-0.6900の取引レンジにとどまっている。
直近のレジスタンスとしては、単純移動平均線(SMA)の手前にある0.6595-0.6600付近の一連のブレイクポイントが考えられる。
下値では、直近の安値0.6514と0.6459辺りがサポートとなろう。
価格は21日、34日、55日、100日、200日、260日SMAを下回る水準に位置している。
テクニカル分析では通常、これを弱気の可能性がある状態と判断する。しかし、SMAはすべて0.6683-0.6734間にあり、歴史的に見ても0.005前後の狭いレンジである。
最近の値動きは、引き寄せられるようにSMAに向かっているように見え、この狭いレンジが維持されれば、価格はSMAを再び超えるかもしれない。
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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