※2023年9月7日17時08分更新
ユーロ、ユーロ/ドル、ドル、米国債利回り、欧州中銀、クノット・オランダ中銀総裁、ユーロ圏インフレ率、原油 - トーキングポイント



ユーロは7日のアジア時間、再び落ち着きを取り戻したが、昨日付けた3カ月ぶりの安値1.0700付近まで肉薄である状況は変わらない。
米国債利回りが6日、再び高水準まで上昇した。ドルはきょうこれまでのところ、全般的に強含みの展開だ。長期金利の指標となる米10年債利回りは、4.30%近辺で推移している。1週間前は4.06%で取引されていた。
欧州中央銀行(ECB)は来週、理事会を開くが、市場は25ベーシスポイント(bp)引き上げの確率を33%程度と見ている。
ECB理事会メンバーのクノット・オランダ中銀総裁は6日、市場は利上げの可能性を過小評価しているかもしれないとの認識を示した。クノット総裁はきょう、他の数人のECB理事会メンバーとともに再び発言する予定だ。
欧州中銀による25bpの利上げに対する市場予想
資料:ブルームバーグ、TastyTrade
ユーロ圏のインフレ率は依然高止まりしており、ドイツの10年物ブレークイーブンインフレ率やユーロ圏の5年先スタート5年物のインフレスワップを見ると、長期期待インフレ率はこのところ、じり高となっている。
市場が予想する期待インフレ率が上昇し続ければ、ECBはある段階で、利上げに対しより積極的になる必要があるかもしれない。



ユーロ圏インフレ率 vs 期待インフレ率
資料:ブルームバーグ、TastyTrade
一方、7日のAPAC(アジア太平洋地域)の株式はほぼ全面安となり、先物の動きは欧州および北米の株式市場でもこの軟調さが引き継がれることを示唆している。
香港のハンセン指数(HSI)は、きょう発表された中国の8月貿易統計が同国の経済見通しに対する投資家の不安を高める内容となったことから下落した。
中国の8月貿易黒字は683億ドルと、予想(739億ドル)を下回った。
輸出と輸入の両方が大幅に縮小し、国内外の経済活動に対する懸念が高まった。
オーストラリアの7月貿易黒字も80億4,000万豪ドルと、予想(100億豪ドル)を下回った。オーストラリアドルは10カ月ぶりの安値64米セントを割り込み、低迷し続けている。
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原油価格は、サウジアラビアの自主減産延長や在庫の減少を受け、昨日上げ幅を拡大したが、きょうは上昇の勢いがやや薄れている。リアルタイム価格はこちらで確認できます。
金スポット価格は1,920ドル前後で足踏み状態となっており、GVZ指数で測定する貴金属のボラティリティは2020年2月以来の低水準で推移している。
今夜、ユーロ圏の国内総生産(GDP)が発表された後、米国では雇用統計が発表される。
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--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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