NY金スポット価格は、米金利低下などを背景に上昇。ゴールドが、3日連続で史上最高値を更新する中、同じ貴金属であるプラチナに注目すべき動きが。金・プラチナ価格の今後の見通しとは。
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【金価格のターゲット】
上値①:2,357ドル
上値②:2,400ドル
下値①:2,300ドル
下値②:2,250ドル
【プラチナ価格のターゲット】
上値①:1,000ドル
上値②:1,019ドル
下値:9日移動平均線(現在939ドル)
プラチナ、金を追いかける
NY金スポット価格(ドル建)は、米国金利の低下などを背景に上昇、3日連続で史上最高値を更新した。金に続き、NY銀価格(ドル建)も上昇している。
更に、注目すべきは、プラチナ価格も4月に入り、上昇基調に転じつつある。金、銀、プラチナは、ともに金利が付かず、埋蔵量が有限であるなどの似た性質を持つことから、価格が連動する傾向がある。
しかしながら、プラチナはガソリン自動車などの工業用の用途が多く、電気自動車へのシフトが進んでいることや、代替可能なパラジウム価格の低迷などを背景に、金、銀に比べ、プラチナ価格は出遅れている。
今までの下落の短期的な反動の可能性があるものの、今後、プラチナ価格が金・銀価格に対する出遅れを取り戻す可能性もあり注目である。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。2023年末を100として指数化。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -9% | 4% | -4% |
週次 | -4% | 1% | -2% |
NY金価格の見通し
NY金価格(スポット、ドル建)は、MACDラインがシグナルラインを上抜け、上昇トレンドを示唆している。一方、RSIは70を大幅に超過しており、金が買われ過ぎであることを示唆している。
テクニカル面で強弱入り混じるシグナルが点灯しており、足元の上昇は急ピッチであることから、金価格が上下双方に動く展開を想定したい。
金価格が上昇した局面では、フィボナッチエクスパンション100%水準2,357ドルがレジスタンスとなるかに注目。この水準をブレイクすると、心理的節目である2,400ドルへの上昇が視野に入る。
一方、金価格が下落した局面では、2,300ドルでサポートされるかに注目。サポートされなかった場合、足元の急上昇に伴う調整圧力が強まり、2,250ドルへの下落を見込む。
【金価格のターゲット】
上値①:2,357ドル
上値②:2,400ドル
下値①:2,300ドル
下値②:2,250ドル
NY金スポット価格(ドル建)日足チャート
資料:Trading View
プラチナ価格の見通し
プラチナ価格(スポット、ドル建)、9、20日移動平均線が200日移動平均線を上抜け、強気の「ゴールデンクロス」が示現している。また、RSIが強気のモメンタムを示唆する50以上で推移している。
テクニカル面で強気シグナルが点灯し、同じ性質を持つ金や銀に対して出遅れている中、プラチナ価格の上昇を見込む。プラチナ価格は、心理的節目である1,000ドルへの上昇が視野に入る。この水準を終値ベースで上方ブレイクすると、上昇圧力が一段と強まり、2023年12月28日高値1,019ドルへ上昇する可能性がある。
一方、プラチナは、投機筋などの思惑によって乱高下する傾向があり、短期的な上昇した局面では、利益確定を図り、価格が下落する展開も想定される。プラチナ価格が下落した局面では、9日移動平均線(現在939ドル)への下落が視野に入る。
【プラチナ価格のターゲット】
上値①:1,000ドル
上値②:1,019ドル
下値:9日移動平均線(現在939ドル)
NYプラチナスポット価格(ドル建)日足チャート
資料:TradingView
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著