NY金スポット価格は、再び史上最高値を更新。連日の史上最高値であるが、個人トレーダー、投機筋に迷いが生じている。高値更新が続く金価格の今後の見通しとは。
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【金価格のターゲット】
上値:2,400ドル
下値①:9日移動平均線(現在2,348ドル)
下値②:2,300ドル
金、史上最高値ふたたび
NY金スポット価格(ドル建)は、中東情勢緊迫化などを受けた安全資産としての需要から上昇、再び史上最高値を更新した。
資料:BloombergよりDailyFXが作成
NY金、個人トレーダーの迷い
IG顧客センチメント(IGCS)によると、昨日と比べて金に強気のネットロングのトレーダーの割合が減少している一方、先週と比べて増加しており、まちまちである。投資家は自身のポジションに対して迷いがあることを示唆しており、個人トレーダーのポジションはNY金スポット価格に対して中立である。
IGCS:金
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資料:IG顧客センチメント
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金先物:投機筋の動向
金価格の動向に敏感な投機筋(ヘッジファンド等)は、金価格に対して様子見スタンスに移行しつつある。
金価格に強気の先物買い持ちポジション(ロングポジション)は、過去と比べ高い水準であるが、ポジションの一段の積み上げがストップしている。
金に弱気の先物売り持ちポジション(ショートポジション)も変化がなく、投機筋が弱気見通しを増やしている状況ではない。
投機筋は、中東情勢などが金価格のサポート材料である一方、高値警戒感がある中、ポジションを変化させることに消極的である。投機筋の動向は、金価格にとって中立~マイナスである。
資料:CFTCよりDailyFXが作成。
NY金価格の見通し
NY金価格(スポット、ドル建)は、9日移動平均線がサポートとして機能しており、地合いが強いことを示唆している。一方、RSIやMACDにて、「弱気の乖離(ダイバージェンス)」が示現しており、テクニカル面では強弱入り混じるシグナルが点灯している。
テクニカル面に加え、個人トレーダーや投機筋の動向も中立である中、金価格が上下双方に動く展開を見込む。
金価格が上昇した場合、2,400ドルへの上昇が視野に入る。
一方、金価格が下落した局面では、9日移動平均線(現在2,348ドル)で引き続きサポートされるかに注目。サポートされた場合、金の地合いが強いことを投資家に印象付ける一方、サポートされなかった場合、2,300ドルへの下落が視野に入る。
【金価格のターゲット】
上値:2,400ドル
下値①:9日移動平均線(現在2,348ドル)
下値②:2,300ドル
NY金スポット価格(ドル建)日足チャート
資料:TradingView
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著