NY金・銀価格は、FRB議長発言を受け、米国金利が上昇したことから下落。しかしながら、4月に入り、シルバーは12.5%、ゴールドも7%上昇。躍進続く金・銀価格の今後の見通しとは。
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【金価格のターゲット】
上値:2,400ドル
下値①:9日移動平均線(現在2,358ドル)
下値②:2,300ドル
【銀価格のターゲット】
上値①:30.00ドル
上値②:29.00ドル
下値①:27.83ドル
下値②:27.00ドル
金、史上最高値ふたたび
NY金・銀スポット価格(ドル建)は、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が、利下げ時期の後ずれを示唆したことから、米国金利が上昇したことを受け、金・銀価格が下落した。
もっとも、4月に入ってから急上昇していたことによる高値警戒感も、金・銀価格の下落圧力となった。銀価格は、4月に入り12.5%上昇、金価格も7%上昇し、主要商品の中で際立ったパフォーマンスである。
資料:BloombergよりDailyFXが作成
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NY金価格の見通し
NY金価格(スポット、ドル建)は、上昇トレンドの反転を示唆することがある「同時線」が出現している。また、RSIやMACDにて、「弱気の乖離(ダイバージェンス)」があらわれており、弱気シグナルが増加している。
テクニカル面で弱気シグナルが増加しているものの、中東情勢の緊迫化に伴う安全資産としての需要が価格をサポートすることが見込まれ、金価格は上下双方に動く展開を想定したい。
ただし、テクニカル面での弱気シグナルを勘案し、金価格の上値余地は限定的とみる。金価格が上昇した局面では、2,400ドルがレジスタンスとなることを見込む。
一方、金価格が下落した場合、9日移動平均線(現在2,358ドル)でサポートされるかに注目。サポートされなかった場合、金価格の調整圧力が強まり、2,300ドルへの下落が視野に入る。
【金価格のターゲット】
上値:2,400ドル
下値①:9日移動平均線(現在2,358ドル)
下値②:2,300ドル
NY金スポット価格(ドル建)日足チャート
資料:TradingView
NY銀価格の見通し
NY銀価格(スポット、ドル建て)は、27.83ドルがサポートとして機能している。一方、RSIは買われ過ぎを示唆する70を一時超過した。
テクニカル面で強弱入り混じるシグナルが点灯する中、上下双方に動く展開を想定したい。
銀価格が下落した局面では、引き続き27.83ドルがサポートとして機能するかに注目。サポートされた場合、銀の地合いが強いことを投資家に印象付け、再度上昇に転じることを見込む。下方ブレイクした場合、次の下値として、27.00ドルへの下落する可能性がある。
銀価格が上昇した局面では、レジスタンスとなっている29.00ドルへの上昇が視野に入る。この水準を終値ベースで上方ブレイクすると、銀の上昇圧力が強まり、心理的節目である30.00ドルへ上昇する可能性がある。
【銀価格のターゲット】
上値①:30.00ドル
上値②:29.00ドル
下値①:27.83ドル
下値②:27.00ドル
NY銀スポット価格(ドル建)日足チャート
資料:TradingView
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 3% | 2% | 3% |
週次 | 3% | -7% | 0% |
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著