東証マザーズ指数、新興株、個人投資家、日経平均株価、東証株価指数(TOPIX)、日本株、バブル後最高値―トーキングポイント
- 個人投資家は日本株に対する見通しを強気に転換しつつある?
- エヌビディア(NVIDIA)などの米IT企業の株価上昇は日本株をサポート
- このような中、個人投資家に人気のある新興株(東証マザーズ指数)及び日経平均株価の動きは?



個人投資家の行動に変化の兆し?
海外投資家からの資金流入に伴い、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)を中心とした日本株が堅調に推移している。日経平均株価は、再びバブル後最高値を更新、3万2000円台を付けている。海外投資家からの資金流入の背景として
- 日本の賃金上昇といった構造変化の兆し
- 東証による日本企業の資本効率改善要請
- 日銀による金融緩和
- 金融不安の影響が軽微であること
- 日本の景気の底堅さ
- 日本の政治的安定性
といった点が挙げられる。一方、個人投資家は日本株の上昇に出遅れ、弱気な見通しを維持してきたが、徐々に個人投資家も見通しを強気に転換しつつある。個人投資家が強気に見通しを転換することで、日本株式市場の一段高の可能性が高まる。個人投資家が日本株に対して弱気であったことを背景に、東証マザーズ指数は、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)と比べ相対的に弱含んできた。東証マザーズ指数は海外投資家や機関投資家に人気のある大型株中心の日経平均株価と異なり、個人投資家に人気のある新興株中心に構成される。個人投資家が日本株に弱気見通しであったことから、新興株が軟調に推移し、東証マザーズ指数出遅れの大きな要因になってきたと思われる。しかしながら、東証マザーズ指数が上昇し、出遅れ分を取り戻しつつある。個人投資家は徐々に弱気から強気に見通しを転換しつつある可能性を示唆している。
また、エヌビディア(NVIDIA)などの米国ハイテク企業の株価が堅調に推移しているが、東証マザーズ指数には新興ハイテク企業も多く含まれており、エヌビディア等のIT企業の株価上昇は東証マザーズ指数を中心とした日本株のサポート要因になりうる。
日本株主要株価指数指数のパフォーマンス

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。2023年3月9日を100として指数化
東証マザーズ指数のテクニカル分析:とうとうブレイク!!
最近のレジスタンスであった200日指数移動平均線、更に中立パターンであるシンメトリカルトライアングル(対称三角形)を上方ブレイクし、上昇トレンドに転換したことを示唆している。今まで出遅れていた東証マザーズ指数が上昇トレンド入りしたことで、日本株式市場全体の上昇圧力が高まっており、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)の一段高を見込む。東証マザーズ指数(先物)は昨年12月の高値814が視野に入る。
東証マザーズ指数(先物)日足チャート




資料:Trading View
日経平均株価のテクニカル分析:更なる上昇を見込む
9、20,50,200日指数移動平均線が上向きかつ、上から順に並ぶ強気の「パーフェクトオーダー」を形成している。また、20日移動平均線からの乖離率は4.7%に留まっており、一段高の余地がある。今まで弱気であった個人投資家が強気に転じつつあり、東証マザーズ指数の上昇と歩調を合わせて日経平均株価の一段高を見込む。1990年以来の33,000円台、更に2008年から2021年にかけての値動きに基づいたフィボナッチエクステンション38.2%水準である33,743円が視野に入る。
日経平均株価(先物)日足チャート




資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著