オーストラリア準備銀行(豪中銀)が7日に金融政策決定会合を開催する。同中銀の金融政策見通しは、他の中央銀行と大きく異なっている。決定会合を控えた、豪ドルの対円、対米ドルでの今後の見通しとは
サマリー
RBA 利上げ?据え置き?
オーストラリア準備銀行(RBA)が7日に金融政策決定会合を開催する。RBAは、7月以降4会合連続で政策金利を据え置いている。しかしながら、今回の会合では利上げを実施する確率が50%程度予想されており、金融市場では利上げの有無に関して意見が分かれている。
FRBやECBを含めた他の主要中央銀行による利上げ停止、その後の利下げが予想されている中、際立った利上げ織り込みである。
資料:BloombergよりDaily FXが作成。
10月25日に発表された第3四半期消費者物価指数(CPI)がインフレの高止まりを示した。また、月次で公表されている消費者物価指数は、前年比で2カ月連続の加速を示しており、5会合ぶりの利上げ織り込みが進展している。
為替市場での利上げ織り込みは意見が分かれていることから、RBAが政策金利を引き上げ、据え置き、どちらの判断をした場合においても、豪ドル相場が大きく動く可能性があるが、豪ドルの対円、対米ドルでのテクニカル面を踏まえた見通しとは。詳しく見てみたい。
資料:Trading EconomicsよりDaily FXが作成。
豪ドル円(AUD/JPY)の見通し
豪ドル円は、レジスタンスであった7月31日高値95.83円を上方ブレイクし、豪ドル高円安トレンドへ転換している。MACDラインはシグナルラインを上抜け、豪ドル高円安トレンドの勢いが衰えていない。
テクニカル面で強気シグナルが点灯している中、RBAが利上げ、もしくは近い将来の利上げを示唆した場合、一段の豪ドル高円安の進展を見込む。6月19日高値97.67円を上方ブレイクし、22年9月12日高値98.39円への上昇が視野に入る。
RBAが政策金利を据え置いた場合、95.83円がサポート転換しているかに注目。サポート転換していることが確認された場合、豪ドル円の地合いが強まっていることを投資家に印象付けよう。
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豪ドル円日足チャート
資料:Trading View
豪ドル/米ドル(AUD/USD)の見通し
豪ドル/米ドルの日足チャートで、レジスタンスであった22年11月3日高値0.637米ドルを上方ブレイクし、豪ドル安米ドル高トレンドからの転換を示唆している。RSIは50を超えているものの、豪ドルが買われ過ぎであることを示す70を下回っており、一段の豪ドル高米ドル安が進展する余地がある。
テクニカル面で豪ドルに強気な中、RBAが利上げを実施、もしくは近い将来の利上げを示唆した場合、豪ドル高米ドル安が一段と進展しよう。その場合、豪ドル/米ドルは、7月14日から10月26日の下落の半値戻しの水準である0.658米ドルが視野に入る。
RBAが政策金利を据え置いた場合、22年11月3日高値0.637米ドルがサポート転換しているかに注目。サポート転換していることが確認された場合、豪ドル高米ドル安地合いが強まりつつあることを、投資家に印象付けよう。
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豪ドル/米ドル日足チャート
資料:Trading Viewより作成
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--- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著