※2024年2月14日16時09分更新
このレポートでは、1月の米CPI発表後のNY金、ナスダック100、ユーロ/ドルをテクニカル面から分析し、今後数日間においてサポートまたはレジスタンスとして機能する主要な水準を検証する。
必読 :2月14日付レポート「ドル円見通し:150円台突破、強い米CPIで利下げ観測に冷や水」
当社のセンチメントガイドは、トレーダーのポジションが短期的に金価格の軌道をどのように形成するかを説明しています。無料ダウンロードはこちらから↓
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -12% | 7% | -4% |
週次 | -6% | 3% | -2% |
NY金見通し - 分析
1月の米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことで、米連邦準備制度理事会(FRB)の金利予想がタカ派方向に見直された。それに伴い、米国債利回りとドルが全面的に上昇したことを受け、金先物相場(XAU/USD)は急落し、2カ月ぶりの低水準に達した。
ディスインフレの進展が足踏みしていることから、FRBは緩和サイクルの開始を遅らせ、緩和が始まったとしても小幅な利下げにとどめる可能性がある。これは、米債券利回りの上昇とドル高が長期化することを意味し、貴金属には下落圧力がかかるだろう。
テクニカルな観点から見ると、金価格は2,005ドルを割り込み、50日単純移動平均線が位置する1,990ドルに向かって急降下した。価格がこの水準で安定せず、さらに下降すれば、すぐさま1,975ドルを目指す動きとなろう。そこから一段安となれば、注目は1,965ドルを死守できるかである。
一方、強気に反転した場合は、ポジティブな材料が不足していることから、現時点ではあり得ないと思われるが、2,005ドル付近がレジスタンスとなる。この上限を超えると、焦点は2,030ドル付近で推移する50日単純移動平均線に移る。
NY金 日足チャート - テクニカル分析
資料:TradingView
ナスダック100見通し - 分析
ナスダック100指数は13日、1月の米CPIが予想外に強かったことを受けて米金利が上昇した中、1.5%超下落した。米国債利回りは年初来高値を更新しており、株価が上昇し続けることは難しく、大幅な調整売り局面が間近に迫っている可能性がある。
サポート水準としては、昨年10月の安値圏を始点とする短期上昇トレンドラインがある17,555がまず注目される。これを割り込むと、50日単純移動平均線の少し上に位置する17,150まで一気に下降する恐れもある。
一方、強気派が舞い戻り、しっかりと反発した場合は、18,125付近の史上最高値がレジスタンスとなる。売り手はこの上値を死守しようとすることが予想されるが、上方突破した場合、指数は18,300を目指す可能性がある。
ナスダック100 日足チャート - テクニカル分析
資料:TradingView
テクニカル・ファンダメンタルズ両面から広範に分析したユーロの中期的な見通しを入手し、トレードにお役立てください。無料ダウンロードはこちらから↓
ユーロ/ドル見通し - 分析
ユーロ/ドルは13日に急落し、3カ月ぶりの安値を付け、1.0720のサポートを下回って引けた。このサポートを下回った水準での推移が今後数日間続く場合、売り手は1.0650への攻勢を強める可能性がある。この時点から下降がさらに進展すれば、1.0520を維持できるかが焦点となる。
逆に、買い手が優勢を取り戻し、反転した場合は、注視すべき最初の壁は1.0720近辺となる。このエリアより上では、100日単純移動平均線と短期下降トレンドラインが重なる1.0800近辺が次のレジスタンスゾーンとなろう。
ユーロ/ドル 日足チャート - テクニカル分析
資料:TradingView
--- DailyFX.com マーケットストラテジスト ディエゴ・コルマン著
新たなレポートの配信等はX(旧Twitter)アカウント @DailyFXJapan で確認できます。