※2024年2月14日11時30分更新
13日のニューヨーク外国為替市場でドル/円は一時、150円台まで上昇した。最新の米インフレ報告を受け、FRBの利下げ観測が後退した。本レポートでは、ドル/円のテクニカルおよびファンダメンタルズの見通しを分析し、トレーダーが今後数日間で注目すべき主要レベルを検証する。
ドル/円見通し
- 米インフレ率が予想を上回ったことで、米国債利回りが上昇し、ドル全面高に
- ドル/円は150円の大台を突破し、約3カ月ぶりの高水準を記録
- このレポートでは、今後数日間で注目すべき主要なテクニカル水準を検証する
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週初は小動きで始まったドル/円だが、13日には0.9%超上昇し、約3カ月ぶりの高値水準である心理的水準150.00の大台を突破した。
ドル/円と米国債利回りの推移
資料:TradingView
ドルの堅調なパフォーマンスは、予想を上回る米インフレ指標を受けた米国債利回りの急上昇によってもたらされた。1月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.9%上昇し、予想(3.1%上昇)を上回った。
米国のインフレ動向
資料:BLS
下図を見ても分かるように、ディスインフレの進展が限定的であることから、年内の利下げ観測が後退している。市場では米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げサイクルの開始時期が先送りされ、最初の利下げ実施は6月の会合との見方が強まっている。
2024年のFF金利先物 - 月次インプライドレート
資料:TradingView
物価上昇圧力が極めて強いため、米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利の引き下げをすぐに開始することには消極的だろう。実際、安全策のため、最初の引き下げを2024年後半まで延期する可能性さえある。このようなシナリオの場合、短期的に米国債利回りが上昇する可能性があり、ドル押し上げ効果が期待される。
ドル/円 テクニカル分析
ドル/円は13日に急騰し、昨年11月中旬以来の高値水準となる150.00のレジスタンスを突破した。価格は堅調な上昇トレンドを維持しているものの、日本政府がこの動きを不快に感じ、円をサポートするために円買い・ドル売り介入を実施する可能性があるレベルに近づいている。
為替介入が行われた場合、ドル/円は急落に転じ、最近の上昇分の一部が解消される可能性がある。このシナリオでは、まず150.00、次いで148.90がサポートゾーンとなりそうだ。さらに下落した場合は、147.40と146.00が意識されよう。
日本の当局による為替介入やその話が浮上しなければ、強気派は152.00付近の昨年高値に向けて総攻撃を開始する前に圧力をかける可能性が高い。ここからさらに上昇すれば、152.70に注目が集まるだろう。
ドル/円 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com マーケットストラテジスト ディエゴ・コルマン著
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