WTI原油価格は、反発したものの、上昇圧力は鈍い。米国で原油・ガソリン在庫の状況が公表されたが、WTI原油価格の今後の見通しとは。
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原油、反発も・・・
WTI原油価格は、中東情勢の悪化が継続するとの見方や、リビア最大のシャララ油田が操業停止していることなどを背景に、約2%上昇した。ただし、前日に大きく下げていた反動の側面も大きい。
2024年に入り、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測が後退したことが、商品価格の重荷になっており、天然ガスを除き、多くの商品価格が横ばいから下落している。
FRBが高い政策金利を長期間維持する、利下げ観測が後退することは、世界景気の下押し圧力を通じて、商品の需要低迷、価格の低下圧力となる。
資料:Trading ViewよりDailyFXが作成。
米国原油の在庫状況
米国石油協会(API)から、米国における原油およびガソリンの週間在庫量変化が公表された。原油在庫は減少した一方で、ガソリン在庫は増加した。
原油在庫の減少は、原油の需給の引き締まりを示唆する一方、ガソリン在庫の増加は今後の原油の需給が緩むことを示唆している。
ガソリンは原油を精製して作られるため、ガソリン在庫の増加は、原油を精製してガソリンを作る必要が低下しており、ガソリン精製のために原油を仕入れる必要が低下していることを示唆している。
米国の原油・ガソリン在庫の週間データは、原油の需給の今後の方向性に対して中立であった。
資料:Trading EconomicsよりDailyFXが作成。
WTI原油価格の見通し
WTI原油価格(1バレル)は、引き続き、11月30日高値を起点とした右肩下がりのレジスタンスラインに上値を抑えられている。RSIも50弱で推移しており、弱気のモメンタムが継続していることを示唆している。
テクニカル面で弱気シグナルが点灯し、米国原油・ガソリン在庫も需給の引き締まりを示さなかった中、原油価格が大きく上昇する可能性は低いとみる。WTI原油価格は、70ドル~74ドルのレンジで当面推移することを見込む。
しかしながら、70ドルを終値ベースで下方ブレイクした場合、下落圧力が一段と強まり、12月13日安値67.71ドルへの下落が視野に入る。
一方、原油価格が74ドル近辺にあるレジスタンスラインを上方ブレイクに成功した場合、下落トレンドからの転換が視野に入る。その場合、原油価格は、心理的節目であり、12月26日高値近辺である76ドルへの上昇が視野に入る。
WTI原油価格日足チャート
資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著