※2023年9月21日14時35分更新
円、ドル/円、テクニカル分析、個人トレーダーのポジション状況 – IGCSによるアップデート
- FRBが金利据え置きを決定後、円は下落
- 個人トレーダーはドル/円の買い持ち解消を継続
- ドル/円はここから上昇を続けるのか?
米連邦準備制度理事会(FRB)が20日に政策金利の据え置きを決定し、パウエル議長は「より高い水準でより長く(higher for longer)」とする金融政策を示唆した。これを受け、円相場は対ドルで軟調に推移し、個人トレーダーはドル/円に対して強気な姿勢を後退させている。個人トレーダーのポジション状況は、一般的に逆張り指標として機能するIGクライアントセンチメント(IGCS)で確認できる。
ドル/円のセンチメント見通し - 強気
IGCSは、ドル/円を取引する個人トレーダーの約38%がネットロング(ドルを買い持ち)にしていることを示している。大半のトレーダーが売り持ちであるため、価格がこの先も上昇する可能性を示唆している。また、ネットロングのポジションを昨日と先週で比べると、5%、17%それぞれ減少している。このように、現在のセンチメント(ポジション状況)および最近の変動(日次、週次でのポジション変化)を考慮すると、ドル/円の逆張り取引バイアスはさらに強気に傾いていると考えられる。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 4% | -7% | -4% |
週次 | 93% | -36% | -19% |
円 日足チャート
日足チャートを見ると、ドル/円はフィボナッチ・エクステンション61.8%の水準148.27を上方ブレイクしようと試みている。とはいえ、RSI(相対力指数)では弱気のダイバージェンスが示現している。これは、上昇の勢いが弱まりつつあることを示しており、価格は下落に転じる可能性がある。そうなれば、当面のサポートである20日移動平均線を維持できるかが焦点となる。
とはいえ、3月からの上昇トレンドライン(サポート)が支えとなり、より広範な見通しは強気で維持されている。そのため、強気バイアスを覆すには、ある程度大きく下落する必要がある。上昇局面では、昨年の高値151.94が意識されよう。
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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