※2023年9月22日11時29分更新
金、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCSによるアップデート
金融市場が米連邦準備制度理事会(FRB)による政策金利決定の影響を消化し続ける中、21日のニューヨーク金先物相場は約0.6%下落した。これを受けて、個人トレーダーは貴金属の買い持ちを増やしている。個人トレーダーのポジション状況は、しばしば逆張り指標として機能するIGクライアントセンチメント(IGCS)で確認できる。
金価格のセンチメント見通し - 弱気
IGCSは、金を取引する個人トレーダーの約74%がネットロング(金を買い持ち)にしていることを示している。ほとんどのトレーダーが買い持ちであることから、価格はこの先も下落し続ける可能性がある。ネットロングのポジションを昨日と先週で比べると、8.02%、5.9%それぞれ増加している。このように、現在のセンチメント(ポジション状況)および最近の変動(日次、週次でのポジション変化)を考慮すると、金の逆張り取引バイアスはさらに弱気に傾いていると考えられる。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -6% | -5% | -6% |
週次 | -2% | -9% | -5% |
金/ドル (XAU/USD) 日足チャート
日足チャートを見ると、金相場はこのところ、2月からの上昇トレンドライン(サポート)に向かって軟化し続けている。同時に、7月からの短期下降トレンドラインが上値を抑制しているようだ。この2つのトレンドラインが収束するにつれ、ブレイクアウトの可能性はますます早まると思われる。重要なサポートは、上昇トレンドラインとフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準1,903.46である。
サポートを下方にブレイクすると、弱気見通しが強まり、8月の安値1,884.89を維持できるかが焦点となる。一方、上昇に転じ、下降トレンドラインを突破すると、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準1,971.63が意識されよう。そうなれば、テクニカル分析見通しは強気に転換するだろう。
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。
新たなレポートの配信等はtwitterアカウント @DailyFXJapan で確認できます。