WTI原油価格は、2023年10月以来はじめて85ドル台に上昇した。中東情勢の緊迫化に伴う供給面のリスクに加え、需要面が価格をサポート。投機筋の動向にも注目すべき動きが見られる中、原油価格の今後の見通しとは。
【原油価格のターゲット】
上値:87.24ドル
下値:83.60ドル
原油価格はすべての資産に影響します。すべてのトレーダーが注目すべき原油相場見通しの無料ダウンロードはこちらから↓
原油需要の高まり
WTI原油価格は、中東やウクライナ情勢の緊迫化などを背景に3営業日連続で上昇し、2023年10月以来の85ドル台で推移している。
原油の供給面に加え、需要面も原油価格を押し上げている。米国石油協会(API)が、週間の原油・ガソリン在庫データを公表した。
米国経済が底堅く推移していることなどを背景に、原油・ガソリン在庫ともに減少した。ガソリンは原油から作られるため、ガソリン在庫の減少は、将来的な原油需要につながる。
春になり、ドライブ需要も高まることが想定され、ガソリン在庫が一段と減少、原油需要に繋がることが想定される。
資料:Trading EconomicsよりDailyFXが作成。
原油先物:弱気の撤回。一段の強気
WTI原油価格の動向に敏感な投機筋(ヘッジファンド等)のポジションは、弱気見通しから強気見通しに徐々に転換していることを示している。
原油価格に強気の先物買い持ちポジション(ロングポジション)を積み増し、弱気の売り持ちポジション(ショートポジション)を削減している。
ショートポジションの水準は、過去と比べても低い水準であり、多くの投機筋が原油価格の弱気見通しを撤回したことを示唆している。
一方、ロングポジションの水準は、過去と比べて一段と積み増す余地があり、投機筋が原油価格に一段と強気になる余地がある。見通しを強め、先物のロングポジションを増やすことで、原油価格の上昇圧力になる可能性がある。
資料:CFTCよりDailyFXが作成。
WTI原油価格の見通し
WTI原油価格(1バレル)は、心理的節目である85.00ドルにて、もみ合うことなく上方ブレイクしており、上昇圧力が強いことを示唆している。MACDラインもシグナルラインを上回っており、上昇トレンドを示している。一方、RSIは買われ過ぎを示唆する70を超えた。
原油の需要や投機筋のポジション動向は明るい材料である一方、最近の急上昇を受け、短期的な過熱感も出ていることから、原油価格は上下双方に動く展開を想定したい。
原油価格が上昇した局面では、2023年10月9日高値87.24ドルへの上昇が視野に入る。一方、原油価格が下落した局面では、23年11月3日高値83.60ドルでサポートされるかに注目。サポートされた場合、原油価格の地合いが強いことを投資家に印象付けよう。
【原油価格のターゲット】
上値:87.24ドル
下値:83.60ドル
WTI原油価格日足チャート
資料:Trading View
商品取引についての全てが詰まった商品パーフェクトガイドを入手したいですか?以下のバナーから無料で入手してください。
トレードに役立つ情報を、X(@Tetsuya_DailyFX) で配信中。
また、デイリーFXのXやYouTubeにて、経済指標や学習コンテンツなどを配信中。今すぐチェック!
-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著