WTI原油価格は大幅下落。原油在庫の増加などが嫌気された。ただし、ガソリンの動向が原油価格をサポートする可能性。テクニカル面で注目すべき動きが見られる中、原油価格の今後の見通しとは。
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【原油価格のターゲット】
下値:80.00ドル
原油在庫増加
WTI原油価格は、米国の原油在庫が増加したことなどを受け、3%強下落した。3営業日続落となり、直近の高値、5日の終値から約5%下落している。
米国にて、原油在庫が積み上がっている。ただし、ガソリン在庫は減少傾向にある。ガソリンは、原油を精製して作られるため、ガソリン在庫の減少は、将来的な原油需要に繋がる可能性がある。
現状、ガソリン在庫の減少を補うべく、原油在庫を取り崩している状況は見られないものの、今後の動向に注目である。
資料:BloombergよりDailyFXが作成
ガソリン価格がサポート
米国の底堅い景気動向や、ロシアによるガソリン輸出の停止、ウクライナによるロシアの製油所への攻撃などを受け、ガソリン価格が上昇している。
原油からガソリンが作られることから、両者の価格は連動する傾向がある。ガソリン価格が高止まりした場合、原油価格のサポート要因として機能することが見込まれる。
原油とガソリン価格
資料:TradingView
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WTI原油価格の見通し
WTI原油価格(1バレル)は、中立パターンである「対称三角形(シンメトリカルトライアングル)」パターンを下方ブレイクし、下落トレンド入りの可能性が高まった。また、3月19日高値83.12ドルでサポートされず、下落圧力が強いことを示唆している。RSIも、50を下回り、弱気モメンタムに転換したことを示唆している。
ガソリン価格の高止まりは支援材料であるものの、テクニカル面で弱気シグナルが点灯シグナルが点灯する中、原油価格の下落を見込む。
原油価格は、フィボナッチ38.2%水準近辺、かつ心理的節目である80ドルへの下落が視野に入る。この水準でサポートされた場合、原油価格の下落は短期的な調整にとどまり、再度上昇に転じる展開を見込む。
【原油価格のターゲット】
下値:80.00ドル
WTI原油価格日足チャート
資料:TradingView
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著