※2024年3月15時08 分更新
先週8日はエヌビディア（NVDA）が急反落し、ナスダック100指数（nasdaq100）を押し下げた。ハイテク株を中心に利益確定の売りに押されたもよう。米ハイテク株の今後の見通しとは？
今週のマーケット展望
欧州中央銀行（ECB）のラガルド総裁と米連邦準備制度理事会（FRB）のパウエル議長の最近の発言は、両中央銀行が6月に利下げサイクルを開始することが示唆されている。
7日に上院銀行委員会の公聴会で行った証言で、パウエルFRB議長は「経済が期待通りに推移すれば、年内に制限的な政策を撤廃していくことを慎重に考える」と述べ、間もなく政策金利を引き下げる可能性を示唆した。
先週金曜に発表された最新の米雇用統計（2月の米非農業部門雇用者数）では、注目されていた失業率が3.7％から3.9％へと予想外に上昇し、前年同月比での平均時給は4.4%増から4.3％増へと伸びが鈍化した。
ラガルドECB総裁は金融政策決定後、政策金利の引き下げを開始する適切な時期は今年上半期末と言及した。
ラガルド総裁は「我々はインフレ目標に向けて順調に前進しているが、十分に自信を持てるまでには至っていない。自信を深めるためにはさらなる証拠とデータが必要となる。4月にはもう少しわかるだろうが、6月にはもっと多くのことが把握できる」と述べた。
ECBは7日、今後3年間の経済成長率とインフレ率の見通しを下方修正した。
日本については、日銀当局者の最近の発言を勘案すると、現在行われている春闘での賃上げ交渉が期待通りの結果となれば、日銀は近いうちに利上げに踏み切る可能性がありそうだ。市場では、日銀が今月利上げに動く確率は60％超となっている。
重要度の高い経済指標とイベント：今週の予定
今週は、様々な資産クラスにさらなるボラティリティをもたらす可能性のある重要なデータがいくつか発表される。注目は米国の最新インフレ報告で、英国の雇用統計と経済成長率がそれに続く。
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金価格に強烈な追い風
先週の金価格は上昇し続け、史上最高値を更新した。利下げ期待の高まり、中国の需要拡大、そして安全資産としての買いが相まって、金相場には強烈な追い風が吹いている。
金価格 日足チャート
資料：TradingView
ナスダック100は強気維持：エヌビディアは利食いで上昇一服
先週金曜の米国株式相場は下落し、特にナスダック指数の下げが目立った。これにより、ハイテク株には弱気な見方も出ているが、ナスダック100指数は依然として強気トレンドにある。過去5カ月間は高値と安値の切り上げが続いており、先週のナスダック100指数は週足ベースではプラスで引けた。
ナスダック100 日足チャート
資料：TradingView
米半導体大手のエヌビディア（NVDA）は先週金曜、7営業日ぶりに反落した。5.6％下落と、ここ9カ月で最大の下げを記録した。過去６営業日の上昇率は19％余りに達しており、利益確定の売りが優勢となったと見られる。エヌビディアは米国最大級の上場企業であり、様々な株価指数に特大の影響を及ぼしている。先週金曜の動きが変調をきたすシグナルだったのかどうか、今週の値動きを慎重に見守る必要はあるだろう。
エヌビディア 日足チャート
資料：TradingView
--- DailyFX.com ニック・コーリー著
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