※2024年2月8日11時53分更新
このレポートでは、ゴールドのファンダメンタルズとテクニカルの両面から分析し、金相場を動かす重要な原動力と、今後数日間においてサポートまたはレジスタンスとして機能する可能性のある水準を示していく。
金価格見通し – 金/ドルのテクニカル分析
- 今年の金相場は方向感に欠けている。もみ合い局面にあり、新たな材料待ちの状態
- 来週の米インフレ指標が相場変動の要因となり、短期的に貴金属相場を導く可能性がある
- このレポートでは、金/ドルをテクニカル面から分析し、今後数日間の取引で注視すべき主要なレベルを検証する
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金 (XAU/USD)は、2024年に入ってから方向感に乏しく、 2,065ドルまでのレジスタンスと2,005ドルまでの水平サポートの間を行き来している。1カ月前は、金の見通しはよりポジティブに見えたが、特に米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを急ぐ必要がないと示唆した後、強気の勢いは今のところ息をひそめている。
金利が高水準のまま、あるいはさらに上昇すれば、配当も利子もない貴金属が上昇軌道をたどるのは難しいだろう。金利見通しが最重要視される昨今、米連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策の行方は恐らく当面、金相場を動かす最も重要な材料となるだろう。
期待したほどインフレが低下していなかった、思った以上に労働市場が強かったなどの過去の教訓を生かし、物価安定の回復に向けた取り組みが複雑化することを恐れたFRBは、すぐにでも利下げを始めることに抗ってきた。来週発表予定の米消費者物価指数(CPI)で、ディスインフレへの進展が限定的なものであることが明らかになれば、FRBの抵抗は正当化されるだろう。
市場では、1月の米CPI総合指数は前年同月比3.1%上昇と、2023年12月(同3.4%上昇)から減速すると予想されている。これとは対照的に、経済の長期的かつ基調的な物価動向を示すコア価格指数の伸びは、前回の前年同月比3.9%から3.8%への小幅な低下にとどまると見られている。
米CPIがコンセンサス予想より上振れした場合、特にコア価格指数が予想外に強かった場合は、金相場にとって弱材料となるはずだ。トレーダーが利下げ観測を後退させる可能性が高いためである。市場では現在、年末にかけて110ベーシスポイントの利下げが織り込まれており、米国債利回りとドルを押し上げる要因となっている。
FF金利先物 - インプライド・レート
資料:TradingView
逆にインフレ率が予想を下回れば、金価格にとってはプラスに働くだろう。予想が大きく外れた場合は、3月のFOMC会合で最初の利下げが実施されるとの見方が強まる可能性もある。この場合、米国債利回りはドルとともに低下し、リスク資産は好転する可能性がある。
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変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -10% | 10% | -2% |
週次 | -2% | -4% | -3% |
金価格 テクニカル分析
7日のニューヨーク金先物相場(XAU/USD)はさえない展開となり、新たな相場材料を求めてか、50日単純移動平均線が位置する2,035ドル近辺で値固めの動きとなった。2,065ドルのレジスタンスをクリアするか、2,005ドルのサポートを確実にブレイクアウトするまで、現在進行中のレンジ相場は終わりそうにない。
レジスタンスを上抜けた場合、焦点は2,085ドルとなる。そこからさらに上昇すれば、史上最高値の2,150ドル近辺が再び注目される可能性がある。一方、サポートを割り込んだ場合は、1,995ドル近辺の200日単純移動平均線が注目され、1,990ドルに向けて下降し始めるかもしれない。
金価格 (XAU/USD) 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com マーケットストラテジスト ディエゴ・コルマン著
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