※2024年1月30日11時27分更新
このレポートでは、FOMCを控える中、ユーロの見通しをテクニカル面から分析し、今週の重要な価格水準について検証する。
ユーロ/ドルの見通し
- 29日のNY外国為替市場でユーロ/ドルは下落し、約7週間ぶりの安値水準に沈んだ
- ユーロ/ドルは1月に2.1%下落する見通し
- 今週はFOMC会合が注目を集める
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必読:1月28日付レポート「金価格見通し:嵐の前の静けさ、FOMC控えた重要水準とは?」
29日のニューヨーク外国為替市場でユーロは対ドルで0.4%超弱含み、ユーロ/ドル相場は一時1.0800を割り込み、数週間ぶりの安値水準まで下落した。
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が1月の会合で大幅な利下げを予想する市場の見方に異議を唱えず、複数の政策立案者が次回会合での利下げ実施を示唆したため、ユーロはここ数日、守りに入っている。
30―31日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合後の記者会見で、パウエル議長がタカ派的なスタンスを示すというサプライズが起これば、ユーロの下落は加速する可能性がある。米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を据え置くと見られているが、金利の見通しについてはこれまでとは異なるガイダンスが公表されるかもしれない。
米国は経済が依然として好調で、労働市場は驚異的な回復力を示していることから、FRBが早すぎる極端な金融緩和期待に対して強硬に反発する可能性がある。この場合、ユーロ/ドルは苦境に立たされるだろう。
一方、FOMC会合でFRBがハト派に傾いた場合は、米国債利回りは急低下し、ユーロ/ドルは上昇する可能性が高い。米インフレ率の低下に進展が見られれば、FRBは今後数カ月のうちに利下げに踏み切る可能性があるからだ。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -11% | 13% | -2% |
週次 | 1% | -5% | -2% |
ユーロ/ドル テクニカル分析
ユーロ/ドルは、昨年12月の高値を始点とした下降トレンドラインに導かれ、2023年後半から下落が続いている。直近では、200日単純移動平均線を割り込み、弱気シグナルが点灯している。
下降トレンドが当面続く場合、1.0770がサポートとなり、次いで1.0715が控えている。さらに下落する場合は、1.0640が意識されよう。逆に、強気派が攻勢をかけ、相場を押し上げた場合は、1.0850―1.0865がレジスタンスとなる。上値を目指す展開となれば、1.0920/1.0935に焦点が移るだろう。
ユーロ/ドル 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com マーケットストラテジスト ディエゴ・コルマン著
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