※2024年1月29日11時34分更新
このレポートでは、金価格のテクニカル分析見通しに焦点を当て、今週開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合を控える中、トレーダーが今後数日間で注視すべき重要な水準を検証する。
ゴールド(金価格)予想
- ゴールドはここ数日、小幅な反発に転じているが、レンジ相場が続いている
- 今週は、FRBが金融政策を決定するため、ゴールド相場は大きく振れる可能性がある
- このレポートでは、ゴールドのテクニカル分析見通しに焦点を当て、今後数日間に重要と思われる水準を検証していく
テクニカル・ファンダメンタルズ両面から分析した2024年第1四半期の金相場見通しの無料ダウンロードはこちらから↓
この2週間ほど、ゴールド価格は明確なトレンドがなく、方向感に欠ける展開となっている。しかし、今週は31日に米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の開催があり、その内容次第でゴールド相場の状況は変わる可能性がある。
米連邦準備制度理事会(FRB)は今週のFOMC会合で、政策金利を据え置くと見られているが、会合後の声明で今回の金融引き締めに終わりを告げる可能性がある。
最新の米国内総生産(GDP)に反映されているように、米国経済は依然として力強く成長しており、FRBがタカ派的な姿勢を維持する可能性を示唆する一方で、ディスインフレの進展は、FRBが緩和スタンスへのシフトに向けた土台作りを開始する可能性を予感させる。このため、FRBのハト派的姿勢への転換を完全に否定すべきではない。
パウエルFRB議長がハト派的な姿勢を強め、利下げに向けたおおよその検討が前回の会合よりもさらに進展していることを示唆した場合、ゴールド価格を支えるはずだ。同時にトレーダーは米国債券利回りが急反落するリスクに備える必要がある。
逆もまた真なりで、パウエル議長が、市場が予想している大幅な利下げと最初の利下げ時期に反するタカ派寄りの道筋を選択した場合、米国債利回りとドルを押し上げるため、貴金属には重しとなるだろう。しかし、先月のパウエル議長の方針転換を考えると、このシナリオが実現する可能性は低い。
トレーダーのポジション状況がゴールド価格の動向に与える影響をご存じですか? 当社のセンチメントガイドがご説明します。無料ダウンロードはこちら↓
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -11% | 7% | -3% |
週次 | -5% | 1% | -2% |
ゴールド価格見通し - テクニカル分析
ゴールド価格は先週、数週間ぶりの安値まで下落した後、小幅に反発したが、引き続き、2,030ドルに位置するトレンドライン(レジスタンス)と2,005ドルにある水平サポートラインの間でもみ合っている。今後数日間に大きな方向性が決まるためには、この2つのラインのどちらかをブレイクアウトする必要がある。
レジスタンスをブレイクアウトした場合、ゴールド価格(XAU/USD)は2,065ドルに向かって上昇しそうだ。さらなる上昇局面では、強気派は2,080ドルを目指す可能性がある。逆に、サポートを割り込んだ場合は、1,990ドル、そして1,975ドルへ向けて反落するかもしれない。これ以降も弱い動きが続くと、200日移動平均線が意識されよう。
ゴールド価格 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com マーケットストラテジスト ディエゴ・コルマン著
新たなレポートの配信等はX(旧Twitter)アカウント @DailyFXJapan で確認できます。