※2023年9月21日12時01分更新
金、銀、トレンドライン - テクニカル分析アップデート
金/ドル(XAU/USD)の分析
金と銀の先物相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)が20日、政策金利を据え置いたことを受け、下落に転じている。パウエルFRB議長は金利運営に関し、「より高い水準でより長く(higher for longer)」とする基本戦略をほのめかした。そのため、金融市場はフェデラルファンド(FF)金利のさらなる上昇を織り込み、利下げ時期は先延ばしになるとの見方が強まった。
これを受け、米国債利回りとドルは上昇し、金や銀などの貴金属を押し下げる圧力となっている。下図の日足チャートを見ると、金/ドルは7月を始点とする短期下降トレンドラインから押し戻されたため、4月からの上昇トレンドライン(サポート)を再び試す可能性がある。このサポートラインは、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準1,903.46とも隣接している。
1,903.46を下回れば、テクニカル分析見通しはさらに弱気に傾くだろう。一方、短期下降トレンドライン(レジスタンス)を上抜けると、23.6%の水準1,971.63が意識されよう。
資料:TradingView
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -6% | -5% | -6% |
週次 | -2% | -9% | -5% |
銀/ドル(XAG/USD)の分析
一方、銀先物相場もFRBの金利決定を受けて同様の苦境に立たされている。金利がより長い期間、より高くなり、さらにドルが上昇すると、銀/ドルを圧迫する可能性が高い。
日足チャートでは、銀相場が8月からのサポートエリア(上昇チャネル)に向かって下降に転じているのが見て取れる。大局的に見ると銀/ドルは、このサポートエリアと5月からの下降トレンドライン(レジスタンス)の間で値固めしつつあるように見える。
そのため、テクニカル分析見通しは中立のままだ。しかし、FRBによるファンダメンタルズ的要因が影響を及ぼし、銀/ドルをさらに押し下げる可能性がある。下落局面ではサポートエリア(上昇チャネル)を維持できるかが焦点となる。これを下抜けると、フィボナッチ・リトレースメント78.6%の水準21.24が視野に入る。
資料:TradingView
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 2% | -6% | 0% |
週次 | 7% | -19% | 1% |
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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