※2023年9月25日10時46分更新
原油、WTI、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCSによるコモディティ市場アップデート
先週の原油先物相場は上昇が一服し、米原油先物指標のウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)は先週金曜までほとんど動きがなかった。これは、数週間一貫して続いた上昇が一服したことを意味する。IGクライアント・センチメント(IGCS)の最新データによると、個人トレーダーは買い持ちをやや増やしている。IGCSは逆張り指標として機能する傾向がある点を考慮すると、原油相場は短期的に下値を目指す展開となるのだろうか。
原油価格のセンチメント見通し - 弱気
IGCSによると、原油をネットロング(買い持ち)にしている個人トレーダーは36%に過ぎない。大半のトレーダーが売り持ちであることから、価格がこの先、上昇する可能性を示唆している。とはいえ、ネットロングのポジションを前営業日および1週間前で比べると、買い持ちはそれぞれ7.73%、1.81%増加している。最近の動きの変化(日次、週次でのポジションの変化)からは、原油相場が目先、下降に転じる可能性がうかがえる。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 4% | -11% | 1% |
週次 | 37% | -33% | 14% |
下図の日足チャートを見ると、WTI原油先物は先週木曜から2日間、上昇している。この値動きにより、先週示現した陰の包み足(抱き線)のチャートパターンをやや弱めている。陰の包み足は、サポートが強化されたフィボナッチ・エクステンション61.8%の水準88.75の突破に失敗した後に形成された。このため、超短期的な見通しは中立とする。
主要なレジスタンスは、昨年11月の高値圏である92.43-93.72のレンジだ。一方、じりじりと上昇している20日移動平均線がサポートとなり、下値を支える可能性がある。サポートを下方ブレイクした場合は、84.84の変曲ゾーンを維持できるかに焦点となる。
原油価格 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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