※2023年9月27日14時32分更新
原油、WTI、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCSによるコモディティ市場アップデート
原油先物相場はこのところ、6月以来の上昇トレンドが一服し、もみ合いの動きが続いている。ここ数日、相場は小動きとなっているが、個人トレーダーのポジションの動きはそうではない。個人トレーダーのポジション状況は、IGクライアントセンチメント(IGCS)で確認できる。IGCSは、売り持ちが徐々に拡大していることを示している。これは米原油先物指標のウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)にとって、今後どのような意味を持つのか。
原油価格のセンチメント見通し - 強気
IGCSによると、WTI原油先物をネットロング(買い持ち)にしている個人トレーダーは36%に過ぎない。大半のトレーダーが売り持ちであることから、価格がこの先、上昇する可能性を示唆している。ネットショートのポジションを昨日と先週で比較すると、12%、6%それぞれ増加している。このように、現在のセンチメント(ポジション状況)および最近の変動(日次、週次でのポジション変化)を考慮すると、WTI原油先物の逆張り取引バイアスは強気に傾いていると考えられる。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 4% | -11% | 1% |
週次 | 37% | -33% | 14% |
日足チャートを見ると、WTI原油先物は20日移動平均線を試したものの、この移動平均線がサポートとして機能し、ローソク足の下ヒゲを残しつつ、そこから跳ね返している。この動きにより、フィボナッチ・エクステンション61.8%の水準88.75も補強され、広範なテクニカル分析見通しは強気が維持されている。下方にブレイクアウトした場合は、84.84の変曲点と50日移動平均線を注視されたい。
50日移動平均線はサポートとして維持される可能性があり、さらなる下落を阻止するかもしれない。一方、ここから上昇する場合は、先週示現した陰の包み足(抱き線)の効力は損なわれ、昨年11月の高値圏(92.43―93.72)を上回れるかが焦点となる。
原油価格 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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