WTI原油価格は、5カ月ぶりの高値まで上昇。需要面において重要な中国経済に注目すべき変化が見られる中、原油価格の今後の見通しとは。
【原油価格のターゲット】
上値:85.00ドル
下値:ペナントの上方トレンドライン
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原油上昇
WTI原油価格は、4月を順調な滑り出しでスタートした。原油の生産大国であるメキシコが、輸出を今後数か月、一部停止することが明らかになったことが、原油価格を押し上げた。
また、イスラエルがシリアにあるイラン大使館を空爆したことが報じられ、両国の緊張が高まり、原油の供給に影響が出るとの思惑も価格上昇圧力になった。
原油価格は、2023年11月以来の高値まで上昇している。原油価格上昇の背景には、世界経済が底堅く推移していることを受け、今後の力強い原油需要が見込めるとの思惑も働いている。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。
中国経済の回復?
原油の需要において、世界第1位と2位の大国、米国と中国の動向が重要である。
米国は、底堅く推移している。懸念材料であった製造業も、ISM製造業購買担当者景気指数(PMI)が好不況の分かれ目である50を上回り、今後の回復が期待される。
一方、不動産市況を中心に懸念が大きいのは中国経済であるが、徐々に回復の兆しが見られる。31日および1日に発表されたPMIは、製造業、サービス業ともに好不況の分かれ目である50を上回り、緩やかな景気回復軌道に乗っていることを示唆している。
中国景気に対する期待は低下している中、緩やかな回復を示唆していることは、今後の原油需要が市場参加者の想定よりも力強く、原油価格の押し上げ要因になる可能性がある。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。
WTI原油価格の見通し
WTI原油価格(1バレル)は、小休止パターンである「上昇ペナント」のトレンドラインを上方ブレイクし、上昇トレンドが再開している。また、23年11月3日高値83.60ドルにて、もみ合うことなく上方ブレイクしており、上昇圧力が強いことを示唆している。RSIも引き続き50以上70以下で推移する中、原油価格に一段の上昇余地がある。
テクニカル面に加え、懸念材料であった中国経済にも明るい兆しが見られる中、原油価格の上昇を見込む。WTI原油価格は、心理的節目である85.00ドルへの上昇が視野に入る。
一方、中東情勢の緩和などが見られ、原油価格が下落した局面では、ペナントの上方トレンドラインでサポートされるかに注目。サポートされた場合、原油価格の地合いが強いことを投資家に印象付けよう。
【原油価格のターゲット】
上値:85.00ドル
下値:ペナントの上方トレンドライン
WTI原油価格日足チャート
資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著