DailyFXのアナリスト・ストラテジストが、2024年第1四半期のトレードチャンスについて解説。ストラテジスト ディエゴ・コルマンは、米国ラッセル2000(Russ2000)指数に注目する。
米国Russ2000指数は強気、ソフトランディングのシナリオが有力視
米連邦準備制度理事会(FRB)による2023年12月の金融政策決定会合で決まった予想外の政策転換によって、2024年の景気悪化の可能性が大幅に減り、ソフトランディングとなる可能性が高い。
その背景には、大幅に緩和された金融情勢がある。政策立案者はインフレより経済成長を優先すると示唆しており、また、今後1年間に何度も利下げを実施すると表明しており、2023年後半には利回りを低下させた。
金融情勢の緩和は株価を押し上げ、米国の主要株価指数は過去最高値を更新した。資産価値の上昇はその後、短期的に資産効果を高め、米国GDP(国内総生産)の主な原動力である家計支出を下支えすることが予想される。
経済の見通しが安定化し、すでに改善の兆しが見えていることから、歴史的に市場の不確実性が低下した時期に成長してきた小型株は、2023年の大半は出遅れていたものの、2024年第1四半期は好調に推移し、大型株を上回るパフォーマンスを示す可能性もある。そのため、米国Russ2000種株価指数は2024年早々にも強さを発揮できるよい状況にあるだろう。
テクニカル分析に注目すると、米国Russ2000指数は2023年第4四半期の終わりにかけて急騰したが、2021年11月から2023年10月の下落のフィボナッチ・リトレースメント50%の重要な水準2,050で強固なレジスタンスに上昇を阻まれた。
強気相場により確信を持つためには、米国Russ2000指数が2,050の水準を決定的に抜けて終値で上回らなければならない。上抜けに成功すれば、2,150に向けた上昇の道が開ける。その後は2,300、2,355へと上昇の可能性が続く。
ただし、予想外の弱さが持続すれば価格は下落し、週足で心理的節目となる1,900のサポートラインを割った場合には、強気バイアスは無効となるだろう。
米国Russ2000指数 週足チャート
出所:TradingView、チャート作成:ディエゴ・コルマン
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