※2023年7月11日16時54分更新
NZドル/米ドル、ユーロ/NZドル、英ポンド/NZドル - 見通し
ニュージーランドドルは、ニュージーランド準備銀行（RBNZ、中央銀行）の金融政策決定を12日に控え、いくつかの主要通貨に対して値固めしているように見える。
RBNZは、5月にニュージーランドの金利がピークに達していることを示唆しており、明日12日の金融政策決定会合では政策金利を14年ぶりの高水準に据え置くとの見方が大勢を占めている。ニュージーランドの経済成長見通しは、525ベーシスポイント（bp）の大幅利上げが経済に波及した影響で、2023年4－6月期（第2四半期）以降、大幅に悪化している。
しかし、インフレ率は依然としてRBNZの目標レンジを大幅に上回っているため、RBNZが、ここ数カ月、世界の中央銀行が再びタカ派的な姿勢を強めている流れに乗れば、追加利上げ観測も立ち消えはしないだろう。特に投機的なニュージーランドドルのポジションが中立であることを考えると、利上げ期待はニュージーランドドルを押し上げる可能性がある。
明日12日発表の米消費者物価指数（CPI）も注目されている。物価上昇圧力が予想以上に緩やかになれば、ドルは全面的に後退する可能性がある。しかし今のところ、CMEグループのフェドウォッチによると、金利先物市場は、今月後半の米連邦準備制度理事会（FRB）による25bpの利上げ実施の確率を95％と見ている。
NZドル/米ドル 日足チャート
資料：TradingView
NZドル/米ドル：値固めか？
テクニカルチャートでは、ニュージーランドドル/米ドルは年初来、より広範な下降チャネル内で安値を切り上げている。これは、下落圧力が弱まりつつあることを示す兆候とも言える。チャネルの上端に位置する直近の収束レジスタンス、おおよそ6月中旬の高値0.6250付近を上方ブレイクすると、価格の下押し圧力が弱まったことが確認され、5月の高値0.6385に向けて上昇する可能性が開かれる。前回の記事で述べたように、より広範な弱気相場を反転させるには、0.6385の突破が不可欠である。
ユーロ/NZドル 日足チャート
資料：TradingView
ユーロ/NZドル：偽りの上方ブレイクが下落リスクを高める
ユーロ/ニュージーランドドルは、5月末の高値1.7835の上抜けを試みたが、上方ブレイクには至らず、その後、5月を始点とする上昇チャネルの上端から値を下げた。価格はこの過程での上昇分をほぼすべて失い、チャネル下限（現在1.7500付近）を割り込む可能性が高まった。このような偽りのブレイクがあった場合は、さらに200日移動平均線（現在1.7200近辺）へ向けて下落する可能性も否めない。
英ポンド/NZドル 月足チャート
資料：TradingView
英ポンド/NZドル：レジスタンス突破は難しい？
英ポンド/ニュージーランドドルが、6月上旬の高値2.0735と200カ月移動平均線が重なる当面の天井を突破するのは難しそうに見える。14カ月RSI（相対力指数）は、価格の下落を伴った2020年と2022年の過去2回の時と同様に、低下しているように見える。上昇トレンドが反転する兆しはないものの、価格は一段高を目指す前にもみ合い局面を迎える可能性がある。
--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著
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