※2023年7月12日14時22分更新
ニュージーランド準備銀行(RBNZ、中央銀行)は12日、利上げを見送り、ニュージーランドドルはその直後に下落したものの、その後下げ渋っている。NZドル/米ドルはレンジの上限をブレイクするか?
NZドル、NZドル/米ドル、NZ中銀、CPI、NZX50指数 - トーキングポイント
- ニュージーランドドルは、NZ中銀が金利を据え置いた後、ボラティリティがやや上昇した
- ニュージーランドドルは金融政策発表直後に下落したが、すぐに回復し、始値を上回った
- インフレの火種は依然としてくすぶっている



ニュージーランド準備銀行(RBNZ、中央銀行)はきょう12日開催の金融政策決定会合で政策金利を5.50%に据え置いた。その発表直後、ニュージーランドドルは下落したが、国内経済の急激な冷え込みが緩和するとの見方から上昇に転じた。
RBNZはこれまで2021年10月を皮切りに、政策金利であるオーバーナイトキャッシュレート(OCR)を12回引き上げてきた。ニュージーランドのS&P/NZX50種株価指数は、これを受け、寄り付きで下落した分を取り戻し、小幅ながら上昇した。
米ドルがアジア市場において全面安で取引を開始した中、ニュージーランドドルはきょうの決定を受け、地合いを強めた。
利上げ見送りを決定した後、ニュージーランドドルの軟化が目立ったのは、円とオーストラリアドルに対してだった。
ニュージーランドドル/円は、先週のこの時期に89.70に迫ったが、きょうは86.50を割り込んだ。現在は87.00まで回復している。
豪ドル/ニュージーランドドルは大きく上昇して1.0830を上抜け、現在1.0834に位置する200日単純移動平均線(SMA)が視野に入っている。1.0830の上方ブレイクが確認されれば、強気の勢いが強まる可能性がある。最新の価格はこちらでご覧いただけます。
2023年1-3月期(第1四半期)のニュージーランドの消費者物価指数(CPI)は6.7%上昇と、予想を下回った。来週水曜に発表される4-6月期(第2四半期)のCPIに市場は注目している。RBNZはインフレ目標を1-3%としている。
きょうの利上げ見送りという決定は、多くの欧米の中央銀行は十分に引き締めを実施し、その効果を見極めるための時間が必要と見ているという市場の考えが反映されているように思われる。
隣国のオーストラリア準備銀行(中央銀行)は先週の会合で引き締めを見送り、米連邦準備制度理事会(FRB)も6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で政策金利を据え置いた。
ニュージーランドの金利市場は、RBNZが来年以降に再び利上げを実施する可能性は低いという方向に動いている。
RBNZの金利据え置きに対するNZドル/米ドルの反応
資料:TradingView



--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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