※2024年3月5日11時19分更新
先週金曜に急騰した流れを受け、週明け4日のNY金価格(金/ドル)は終値ベースで史上最高値を更新した。昨年の日中最高値を前にテクニカル的なレジスタンスはほとんどない。金価格は上昇を続けるだろうか?
金 (XAU/USD) 価格の分析とチャート
- 先週金曜の米経済指標が予想より弱い内容で、金価格は上昇
- 金は大きく買われ過ぎの領域に入っている
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先週金曜に発表された米経済指標が期待外れだったことを受け、同日の金価格は急上昇し、昨年12月の水準まで戻った。米供給管理協会(ISM)が1日発表した2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は市場予想を大幅に下回り、新規受注指数は1月の52.5から49.2へと低下した。これは経済全体の縮小圏内にあることを意味する。同じく1日発表の米ミシガン大学消費者信頼感指数もすべての予想を下回り、景気の現況と先行きに対する見方が悪化した。
これら2つの発表により、米利下げ観測はやや高まり、米短期債利回りは低下した。市場予想では、2024年の利下げ幅が事前予想の83ベーシスポイント(bp)から88bpに上昇し、米2年債利回りは10bpほど低下し4.52%となった。
米2年債利回り 日足チャート
資料:TradingView
今週は相場を動かす可能性のある経済指標の発表や経済イベントがいくつかあり、注視する必要がある。6、7日両日に米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が半期に一度の議会証言を行うほか、6日に米ADP民間雇用統計と米雇用動態調査(JOLTS)が発表される。8日には、注目の米非農業部門雇用者数(NFP)を含む月例の雇用統計が発表される。
市場を動かすすべての経済指標データと経済イベントについては、DailyFX経済指標カレンダーをご覧ください。
この米国債利回りの低下は、金価格の上昇を促した。金価格は以前のレジスタンスを突き破り、昨年12月に付けた高値水準まで戻った。これらのレジスタンスの最初のレベルである2,070ドルは今やサポートとして機能し始めそうで、その下には2,043ドルが控えている。現在のスポット価格と昨年12月4日の高値2,146.8ドルとの間には、買われ過ぎのシグナルを除けば、レジスタンスはほとんど存在しない。チャート下部の商品チャネル指数(CCI)は現在、250を超える極端な数値を示しており、短期的な上昇を抑制する可能性が高い。中長期的には、この数値が正常化し始めると、金価格は昨年末に記録した史上最高値(日中高値)を再び更新する可能性が高い。
金価格 日足チャート
資料:TradingView
個人トレーダーのポジション状況を示したIGクライアントセンチメント(IGCS)によると、金を取引するトレーダーの44.64%がネットロング(買い持ち)にしており、トレーダーのショートとロングの比率は1.24対1となっている。ネットロングのトレーダー数は昨日より5.91%多く、先週より19.58%減少した。一方、ネットショートのトレーダー数は昨日より8.05%多く、先週より44.53%多い。
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変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -12% | 7% | -4% |
週次 | -6% | 3% | -2% |
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