※2023年11月17日11時44分更新
16日のニューヨーク金先物相場は1%超上昇し、重要なテクニカルレジスタンスを突破した。米国債利回りの低下と利上げ観測の後退を背景に金を買う動きが広がっており、金相場は2,000ドルの大台を回復する可能性がある。
金価格見通し
- 金価格は上昇し、1,975―1,980ドルエリアのテクニカルレジスタンスを突破
- 予想を下回る米経済指標を受けた米国債利回りの急低下が金の上昇をけん引
- このレポートでは、今後数日間で注目すべき金/ドルの主要な水準について考察する
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16日のニューヨーク金先物相場 (XAU/USD)は1.0%超上昇し、前日のさえない値動きから一変、大きく反発した。同日朝に発表された米新規失業保険申請件数が米労働市場の緩和を示唆したことを受け、米国債利回りが急低下したことが金を買う動きを促した。
11月11日までの1週間の米失業給付申請件数は23万1,000件となり、予想の22万件を上回った。これは8月以来の高水準である。4日までの1週間の継続受給件数も186万5,000件と、過去約2年で最も増加し、米国人の職探しが難しくなってきている状況を示した。
米国経済指標データ
さえない経済指標に加え、14日に発表された10月の米消費者物価指数(CPI)と16日発表の米生産者物価指数(PPI)が全般的に鈍化したことから、米連邦準備制度理事会(FRB)の引き締めサイクルは終わり、次は利下げに転じるとの見方が強まった。こうした観測が利回り低下を招き、米10年債利回りは4.45%を割り込み、9月下旬以来の低水準に落ち込んだ。
米連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策に対する市場の予測はハト派色が強くなっていることから、特にドルがこのまま下落幅を拡大していく場合、金相場は当面、上昇基調を維持する可能性がある。マクロ経済環境が悪化するならFRBが政策転換を早める可能性があるため、今後発表される経済指標でさらなる景気減速が明らかになれば、金上昇のシナリオは現実のものとなるかもしれない。
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金価格 テクニカル分析
先物取引で測定される金価格は16日に急上昇し、テクニカル面で重要な天井1,975―1,980ドルを突破した。このブレイクアウトが維持されれば、価格は今後数日で上値を固め始め、2,010―2,015ドルに向けて上昇する可能性が開かれる。そこからさらに上昇すれば、強気派は2,060ドルへの攻勢を強めるかもしれない。
一方、弱気に反転した場合、下降に対する第一防衛ラインは1,980―1,975ドルゾーンになる。このゾーンを下値めどとすることも考えられるが、下方ブレイクするとあや押しが進み、1,950―1,940ドルの収束サポート(複数の主要な移動平均線がこのエリアに収束)に向かって下降する可能性がある。このエリアを下回ると、焦点は1,920ドルに移る。
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変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 5% | 10% | 7% |
週次 | 3% | -3% | 0% |
金価格 (XAU/USD) テクニカルチャート
資料:TradingView