豪ドル、豪中銀、インフレ、金融政策 - トーキングポイント
- 豪中銀による50bpの利上げ実施をこなし、方向感のない豪ドル
- リスクオンのセンチメントは当面の間、かろうじて豪ドルの支えとなるかもしれない
- 豪ドル/米ドルのポジショニングは、依然として弱気トレンドを示しているように見える



6日のオセアニア外国為替市場で豪ドルは小動き。オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)が政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートを1.85から2.35%に引き上げたことを受け、小幅に上昇したものの、モメンタムは維持できなかった。豪ドル/米ドルは、それまでの日中の下落分をいくらか帳消しにしたものの、本格的な上昇には至らなかった。
エコノミストの中央値予想では、発表前に50bpの引き上げが予想されていた。同時に、先物市場では、RBAの既定路線であった25bpの上昇は完全に織り込み済みで、その2倍になる確率は69%(つまり、五分五分より高い確率)と示唆されていた。
8月上旬のRBA会合以降、市場が予想する豪国債3年物の利回り曲線はほとんど変化していない。これは、予想された結果に対する反応が鈍いことを裏付けるものである。つまり、市場ではすでに織り込み済みで、今後、短期的な政策方針に対して市場の見通しが大きく変わることはないだろう。
トレーダーは現在、RBAが2022年末までにキャッシュレートを3%に引き上げ、来年も政策金利の引き上げを継続すると予想している。引き締めサイクルは2023年半ばに約3.8%でピークを迎え、その後は2024年に突入するまで一旦停止すると見られている。

資料:TradingView
過去1年間、豪ドルはRBAの政策金利の発表に特に反応せず、決定発表後の30分間の値動きは平均して0.1%未満だった。0.5-0.8%という大きな変動を記録したのは、12回のうちわずか3回である。
むしろ、市場全体に広がるリスク選好ムードが、市場センチメントに敏感な通貨に、より大きな影響を及ぼしているように思われる。実際、上位相手通貨に対する豪ドルの平均的な値動きと、MSCI世界株価指数の20日間にわたる相関係数は、現在0.70に達している。
このため、豪ドルは当面、狭いレンジで底固く推移すると捉えることができるかもしれない。S&P 500種株価指数先物は、米レイバーデー(労働の日)の祝日で5日は休場となった米国市場が再開するのに伴い、納得のいく上昇を示している。
しかし、全体的な位置づけとしては、下降バイアスが支持されているように見える。豪ドル/米ドルは、長期的なレンジの底値である0.6837を下抜けた後、0.6565付近のサポートを試し、その後はやや回復したものの、上値は重くなっているように見える。さらに下落すると、スイングローの0.6678が次のサポートとなる可能性がある。売り圧力を中和するためには、0.69を再び試す展開となることが必要なようだ。

資料:TradingView
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--- DailyFX.com チーフストラテジスト(アジア太平洋) イリア・スピバック著
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