豪ドル相場において、長きにわたるトレンドからの転換の可能性はあるのか?本記事では、2024年第2四半期に向けた豪ドル/米ドルや豪ドル/円のテクニカル分析による予測を、ストラテジストのデビッド・コトルが解説する。
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豪ドル/米ドル
豪ドル/米ドルは、2021年2月中旬以来続いている長期的な下降トレンドチャネルの中にある。2022年後半にこのレンジを比較的短期間下回ったことが異常であったように思えるほど、このレンジは非常によく維持されている。
2020年3月の安値から2021年のピークに至る急騰のフィボナッチ・リトレースメント0.618の水準、価格で言えば0.6468がサポートラインになっている。
今年中に0.70以上に戻れば、この下降トレンドが崩れる可能性が高いことは注目に値する。これが実現すれば、豪ドルにとって大きな意味を持つことは明らかだ。今期中にこの水準まで上昇する可能性は低そうだが、強気派は年後半に上昇を試みるための体制を整えることができるかもしれない。
豪ドル/米ドル 週足チャート
出所:TradingView、チャート作成:デビッド・コトル
豪ドル/円
豪ドル/円は過去2年間一貫して上昇を続けており、その上昇トレンド自体は2020年3月以降の長期上昇の延長線上にある。
この上昇トレンドにより、豪ドルは円に対して9年以上ぶりの高値をつけ、豪ドル/円は2022年4月以来続いていた、非常に広いボックス圏を上抜けた。
豪ドル強気派がこの水準を維持できれば、次の重要な上値目標は2014年11月中旬の高値102.72となる。豪ドル/円は急速に上昇しており、かつてのレンジの上半分にとどまるような、短期的な調整が見られるかもしれない。
日本銀行は3月、ついにゼロ金利政策から脱却し、マーケットを揺るがした。しかし、豪ドルの継続的な上昇が示すように、日本の利回りは他国の通貨と比較して魅力に乏しいままであり、しばらくはその状態が続くだろう。
豪ドル/円 週足チャート
出所:TradingView、チャート作成:デビッド・コトル
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