NY金スポット価格は、史上最高値の更新が継続。一方、個人トレーダーや投機筋のポジションに注目すべき動きが。金価格の今後の見通しとは。
【関連記事】NY金、4日連続史上最高値ならず。米国CPIの反撃。金価格の見通し(2024年4月11日公開)
【関連記事】NY金、3日連続史上最高値。プラチナの挽回。金、プラチナ価格の見通し(2024年4月10日公開)
【関連記事】NY金、3週続伸、史上最高値更新中。新時代の幕開け。金価格の今後の見通し(2024年4月8日公開)
【金価格のターゲット】
上値:2,357ドル
下値①:2,300ドル
下値②:2,250ドル
NY金、個人トレーダーの思惑
NY金スポット価格(ドル建)は、再び史上最高値を更新した。中東、ウクライナ情勢といった地政学リスクに加え、中国の外貨準備高にて、金保有量が増加を示したことが金価格を押し上げた。
金価格の上昇が続いているが、逆張り投資の観点では、金価格の下落に備える必要性を示唆している。
IG顧客センチメント(IGCS)によると、金を取引する個人トレーダーの約46%がネットロング(金を買い持ち)にしている。半分以上の持ち高は金に弱気のネットショート(金を売り持ち)に傾いている。
しかしながら、昨日、先週と比べて金に弱気のネットロングのトレーダーの割合が減少している。金価格に対して弱気の投資家が減っていることは、逆張り投資の観点では、NY金スポット価格の下落を示唆している。
IGCS:金
市場のポジション状況が資産価格にどのような影響を与えるかを知りたいとお考えですか?IGクライアントセンチメントにそのヒントがあります!
資料:IG顧客センチメント
金先物:投機筋の動向
金価格の動向に敏感な投機筋(ヘッジファンド等)は、金価格に対する楽観見通しを強めているが、極度に楽観的な可能性がある。
金価格に強気の先物買い持ちポジション(ロングポジション)は過去と比べでも高い水準である。また、金に弱気の先物売り持ちポジション(ロングポジション)は過去と比べて低い水準である。
一段と強気ポジションを積み増し、もしくは弱気ポジションを削減する余地は乏しくなっている。
更に、金価格の上昇に伴い、積み上げた買い持ちポジションから利益確定を図り、金価格の下落圧力になる可能性もある。投機筋の動向は、金価格にとって中立~マイナスである。
資料:CFTCよりDailyFXが作成。
NY金価格の見通し
NY金価格(スポット、ドル建)は、強気の「バンドウォーク」が継続、2月から3月の値動きに基づいたフィボナッチエクスパンション100%水準2,357ドルが近付いている。
バンドウォークが続く限り、金価格の上昇が続き、2,357ドルに到達する可能性がある。しかしながら、個人トレーダーや投機筋の動向から、警戒シグナルが点灯しており、金価格が上下双方に動く展開を想定したい。
金価格が上昇した局面では、フィボナッチ100%水準2,357ドルへの上昇を見込む。一方、金価格が下落した局面では、心理的節目である2,300ドルへの下落が視野に入る。この水準を下方ブレイクすると、最近の急上昇の反動から、調整圧力が強まり、2,250ドルへ下落する可能性がある。
【金価格のターゲット】
上値:2,357ドル
下値①:2,300ドル
下値②:2,250ドル
NY金スポット価格(ドル建)日足チャート
資料:Trading View
先物、オプション、FX取引について知るべきことが詰まった完全版トレードガイドを入手したいですか?以下のバナーから無料で入手してください。
トレードに役立つ情報を、X(@Tetsuya_DailyFX) で配信中。
また、デイリーFXのXやYouTubeにて、経済指標や学習コンテンツなどを配信中。今すぐチェック!
-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著