※2023年9月28日10時56分更新
原油、WTI、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCSによるコモディティ市場アップデート
- 原油価格は4カ月続伸が射程圏内に
- 個人トレーダーは引き続き弱気なため、見通しは強気
- 価格は重要なレジスタンスゾーンをかろうじて突破
27日のニューヨーク原油先物相場は3.6%高と大幅続伸し、6月上旬以来の高い上昇率となった。月末が迫る中、原油相場は4カ月続伸となることがほぼ確定した。また、個人トレーダーは弱気なポジションを増やし続けている。個人トレーダーのポジション状況はIGクライアントセンチメント(IGCS)で確認できる。IGCSは逆張り指標として機能する傾向があることを鑑みると、原油相場はここからさらに上昇するのだろうか?
原油価格のセンチメント見通し - 強気
IGCSによると、原油をネットロング(買い持ち)にしている個人トレーダーは約30%に過ぎない。大半のトレーダーが売り持ちであることから、価格がこの先、上昇する可能性が示唆されている。またネットロングのポジションを昨日と先週で比較すると、10.3%、16.32%それぞれ減少している。このように、現在のセンチメント(ポジション状況)および最近の変動(日次、週次でのポジション変化)を考慮すると、原油相場の逆張り取引バイアスはさらに強気に傾いていると考えられる。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 4% | -11% | 1% |
週次 | 37% | -33% | 14% |
下図の日足チャートを見ると、米原油先物指標のウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)は昨年11月の高値圏である93.72―92.43というレジスタンスゾーンをかろうじて上回って取引を終えている。これにより、今年初めからの上昇トレンドが継続し、95.63フィボナッチ・エクステンション100%の水準が視野に入りそうだ。そのすぐ先には2022年8月の高値97.65があり、これが重要なレジスタンスとして維持される可能性がある。
しかし、RSI(相対力指数)で上昇の勢いが弱まっていることを示す弱気のダイバージェンスが示現していることに注意したい。下降に転じた場合、93.72―92.43というかつてのレジスタンスゾーンを割り込むと、20日移動平均線の維持が焦点となる。そのすぐ下にはエクステンション61.8%の水準88.75が控えている。
原油価格 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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