※2024年4月18日14時21分更新
南アフリカのインフレ率は緩やかに鈍化しており、2024年上半期に同国の金利が緩和される可能性は低いと思われる。ドル/ランドは現在、買われ過ぎの領域で19.10レベルを試している。
ドル/ランドの主なポイント
- インフレ率の緩やかな鈍化：南アフリカ統計局が17日発表した2024年3月の消費者物価指数（CPI）の伸び率は、2月の5.6％から5.3％へとわずかに低下した。
- インフレの主な要因：年間インフレ率は、住宅・水道光熱費、雑貨・サービス、食品・非アルコール飲料、交通の上昇に大きく影響された。
- 財対サービスのインフレ率の変化：財のインフレ上昇率は2月の6.2%から3月は5.7%に低下したが、サービスのインフレ上昇率は4.9%から5.0%にわずかに上昇した。
- 南アフリカ中銀の金融政策見通し：現在の見通しでは、2024年下半期に金利緩和に動く可能性が示唆されている。
- 世界の金融政策動向の影響：南アフリカ中銀の利下げに関する意思決定は、先進国の金融政策動向に影響される可能性が高い。
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南アフリカの3月CPIまとめ
2024年3月の南アフリカ都市部のCPI上昇率は、2月の5.6%から5.3%へと微減し、前月比では0.8%の上昇となった。インフレ率は年率で5.1％から8.5％に上昇したが、その主な要因として住宅・公共料金、雑貨・サービス、食品・非アルコール飲料、交通の各部門の上昇が大きく寄与した。特に、財のインフレ率は2月の6.2%から5.7%に低下し、サービスのインフレ率は4.9%から5.0%にわずかに上昇した。
南アフリカ中銀の金融政策/金利見通し
インフレ率が小幅に低下したことは南アフリカ準備銀行（SARB、中央銀行）にとって歓迎すべきことだが、CPIは依然として高水準にあり、目標レンジである3―6％の上限に近づいている。現在の予想では、金利は下半期に25ベーシスポイントずつ、最大で3回（2024年末までに合計0.75％ポイント）引き下げられるとみられている。とはいえ、SARBは資本流出を食い止め、キャリートレードの機会を守るため米国などの先進国に追随する可能性が高い。米連邦準備制度理事会（FRB）がこのところタカ派色を強め、ハト派への転換が遠のき始めていることから、南アフリカでの今年3回の利下げ実施は楽観的すぎると思われ始めている。
ドル/ランド (USD/ZAR) テクニカル分析
ドル/ランドは、下値ブレイクに失敗した後、18.50付近の売られ過ぎの領域から急反発した。この強気な反転により、価格は19.00レベルを突破し、現在買われ過ぎの領域で19.10レベルを試している。
トレーダーは、ロングでのエントリーのために19.10レベルの上方ブレイクを待つか、あるいはショートでのエントリーのためにこのレベルからの弱気反転を待つかもしれない。
19.10を上抜けた（終値が19.10を上回った）場合には、19.30―19.40のレンジがレジスタンスとなり、逆に19.00を終値で下回った場合は、レジスタンスのトライに失敗したことを示唆する。
19.10のレジスタンス水準から反落し、19.00を下回る終値が確認された場合は、18.80が最初のサポートとなる。19.40を上回る水準で終値を付けた場合は、弱気へのシフトには至らなかったことが示唆されよう。
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