※2024年4月16日10時42分更新
安全資産としてのドル買いが継続しているのに加え、米小売売上高が予想を上回ったことで、円売り圧力が強まっている。ドル/円は155円まであと一歩のところまで来ている。
ドル/円の分析
- 鈴木財務相はFXの動きに関して「万全の対応を取りたい」と述べた
- ドル/円は引き続き危険水域、155円に近づく
- すべてのトレーダーが注目すべき、ドル/円を動かす主要な要因や独自の洞察が詰まった円相場の第2四半期見通しをご覧ください
鈴木財務相、為替動向について「万全の対応」取る
円の価値の強さを表す均等型指数である円インデックスは、主要通貨に対して円が幅広く下落したことを示し、週明けの円相場は幸先の悪いスタートとなった。鈴木俊一財務相はこの外為の動きについて「注意深く見守っている。万全の対応を取りたい」と語った。
以前、元財務官の渡辺博史氏は、日銀・政府は155.00の水準で円買いドル売り介入を検討する可能性が高いと述べた。ただ、当局者らは何度も、特定のレベルをターゲットにしているのではなく、望ましくない不安定な動き(円安)を監視していると繰り返している。
円インデックス(英ポンド/円、米ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円を均等配分)
資料:TradingView、チャート作成:リチャード・スノー
ドル/円は引き続き危険水域、重要な155円レベルに接近
ドルが引き続き高水準で推移する中、ドル/円は週明けに155.00レベルに接近する動きが加速した。当初は152.00が、市場があえて超えないラインと位置づけられ、警戒されていた。しかしドル高の進行による円売り圧力に根負けし、ついには152.00を上回る水準に市場は安心感を覚えた。
トレーダーは、為替介入に対する日本政府の姿勢に緊急性がないと判断し、さらなる円安ドル高の進行を予想しているように見受けられる。RSI(相対力指数)を見ると、価格は大きく買われ過ぎの領域で取引されているが、円売りの動きが弱まる兆候はほとんど見られない。
155.00が日本政府による主要な対応(為替介入)のきっかけになる可能性があるという渡辺元財務官の警告を考慮すると、現水準からのロングのトレードはリスク・リターン比率が不利になるだろう。152.00、150.00と同様、155.00は厳しいレジスタンスのようにみえるが、政府・日銀が行動を起こす必要があると感じた場合、瞬時に突入する可能性のあるレベルであると認識すべきだろう。円高となれば、その後は146.50が視野に入ってくる。
ドル/円 日足チャート
資料:TradingView、チャート作成:リチャード・スノー
--- DailyFX.com リチャード・スノー著
スノー氏に連絡するには、X(旧Twitter)で @RichardSnowFX までお願いいたします。
最新記事や学習コンテンツ、経済指標など、トレードに役立つ情報をX(@DailyFXJapan)やYouTubeは(デイリーFX公式チャンネル)でも配信中。今すぐチェック!